エフエム東京の放送で、大地震や津波で被災した人々が寒さに襲われ、低体温症などで命を落とす危険性を解説しているので、防災観点から考えてみたい。
■寒さで亡くなった人々
2/5(土)8:25~8:30にFM東京で放送された番組「防災FRONT LINE」で、昨年12月21日に内閣府が発表した「日本海溝・千島海溝 地震被害想定」について取り上げた。
その内容が、下記の記事でまとめられている。
『東日本大震災では“寒さ”で亡くなった方も…巨大地震が冬に発生したら「低体温症」に注意!』
この想定では、寒さが厳しい北海道や東北特有の厳しい被害想定も公表された。
東北大学の研究グループでは、東日本大震災でも津波から逃れたあとで体が濡れたままでいたり、住宅の高い階などに避難して救助を待つあいだに、寒さが原因で亡くなったケースが報告されている。
いわゆる「低体温症」だ。
■低体温症の危険
このため、低体温症によって亡くなるリスクの高まる人々を「低体温症要対処者」と位置づけた。
巨大地震が冬に発生した場合、低体温症になる危険のある人は、日本海溝の地震で4万2,000人、千島海溝で2万2,000人に達すると予測されている。
ただでさえ極寒の冬の北海道や東北では、大地震などの災害で自宅から避難した人々のあいだでは、より温暖な地域に比べて「寒さ」の問題も加わる。
それに加えて、津波から命を取り止めた人々が、ずぶ濡れのままに避難しなければならない場合は、危険性が高くなる。
たとえ自宅が倒壊しなくても、ライフラインが止まれば暖房の使用もままならないかもしれない。
また、学校などの避難所に避難した場合でも、十分な暖房設備が利用できない恐れもある。
■防寒対策
被災時に、最も安く済む暖房手段としては、100円ショップでも入手できる使い捨てカイロがある。
ただし、これは体全体を温めるには不向きで、一時的な手段と考えるべきだろう。
電気やガスなどライフラインが止まった時に役立つ手段としては、やはりカセットガスを使用する物だろう。
入手しやすいものとしては、カセットガスストーブがある。
部屋全体を温めるのは無理だが、地殻で暖を取ることができる。
こちらのイワタニ製は、持ち手がついて手軽に持ち運べる。
連続燃焼時間は、約3時間20分とある。
また、カセットでストーブにもコンロにもなるという画期的な製品もある。
ただ、Amazonではまだ発売されたばかりで、評価が全くついていないので、製品としての良し悪しはわからない。
そこまでの寒冷地ではないから暖房は無くてもなんとかなるとう場合でも、やはり食事は暖かいものを食べたいだろう。
そういう場合に、画期的な製品がある。
「湯わかしボックス」といって、アルミニウム粉末に別途用意した水を加えるだけで、お湯を沸かせる。
カイロの原理と同じで、200mlの水を沸かすのに10分ほどかかる。
そのお湯で、アルファ米などお非常食料を温めて食べられる。
下記のFNNニュース記事に添付の動画で紹介されている。
Amazonで、別製品だが同様のものがあり、発熱剤3個入りで2200円と、結構なお値段がする。
別製品だが、Amazonのカスタマーレビューで、おそらく東日本大震災で被災した人が、暖かさの大切さを感じて買ったと書いていた。
大震災を経験した人たちは、暖かさの大切さを身に染みてわかっているのだろう。