2/7の『zakzak』の記事で、住宅の専門家が大災害発生時にタワーマンションに住むことのデメリットを書いているが、3年前の多摩川の水害発生時にもタワマンの住民が悲惨な目に遭ったように、セレブ住民の災害リスクは大きいものがある。
■タワーマンションの問題点
2/7の『zakzak』(by 夕刊フジ)の記事で、住宅ジャーナリストの榊淳司氏が、「大震災」の後でタワマンがどうなってしまうかを詳細に書いている。
題して、『東京を震度7の地震が襲えば…4日後のタワマンは「地獄」 電気が使えず、水も出ない 中層階以上はほぼ生活不可能』という記事。
ここでは、マンションの専門家である住宅ジャーナリスト・榊淳司氏が衝撃的なことを書いているので紹介したい。
榊氏は、1年前にマンション住まいの人から相談を受けた。
その土地がハザードマップで水害時に浸水5~10mと知ってショックを受けたという。
■「令和関東大震災」では?
2019年の台風19号では、多摩川沿いの武蔵小杉のタワーマンションが浸水した。
内水氾濫によって地下の電気室が冠水し、電気が止まった。
エレベーターもトイレも使用不能で、住民は1週間も簡易トイレを使用したりホテルで寝泊りせざるを得なかった。
今後、首都直下地震が起きて電気・ガス・水道が1週間復旧しなければ、大変な事態となる。
最新型のタワマンでも、4日たてば自家発電の電気も止まる。
中層階以上の高さでは、ほぼ生活不可能となる。
避難所は、自宅で命の危険がある人々の収容が優先されて、まったく損壊のないタワーマンション住まいの人々はキャパ不足で後回しにされる。
■倒壊の恐れは
都心では特に23区東部で軟弱地盤や0メートル地帯の地震や水害の危険性が高い。
だが、そのような土地での最新のタワーマンションや高層ビルでは、地下深くまでクイ打ちがされたりして、大規模な地震でも倒壊の可能性は低い。
都心のタワマンでは、それよりもzakzakの記事にあるような「災害後の生活」が悲惨なものとなる。
タワマン住まいに限らず、自分が住む土地のハザードマップを詳細に確認することは、何よりも優先して行う必要がある防災対策だろう。
■超高層ビル建設はやめなさい
災害発生時のタワマンの問題点は、以前にTOCANAでも書いていた。
1つは、2020/03/10の『【3.11から9年】タワマンに住んではいけない! メディアが書かない“致命的リスク”を学者が指摘… 真の富裕層は住まない!』という記事。
ここでは、名古屋大学教授・減災連携研究センター長で、建築耐震工学・地震工学・地域防災を専門とする福和伸夫氏が「日本で超高層ビルをつくるのは、もう止めた方がよい」と断言していることを紹介した。
理由の一つは、高層ビルにつきものの、地震発生時の「長周期地震動」だ。
停電・断水のことも書いたが、他にタワマンの「健康上のリスク」もある。
詳しくは、下記の記事を読んでください。
※榊淳司氏によるタワーマンションの問題点の本。