1/22に発生した日向灘のM6.6の地震では、その規模から想像する以上に様々な被害が出たようだ。
ここで紹介するTVニュースでは、その被害状況や地震学者の南海トラフ巨大地震の発生可能性についてのコメントなど貴重な内容が含まれるので紹介する。
■ANNニュース
1/22の日向灘M6.6の地震が発生した日のANNニュースで、地震による被害状況や学者のコメントが編集されていて、非常に参考になる。
5分程度の動画なので、特に日向灘と南海トラフの地震について詳しいことを知りたい方には、見ることをお薦めする。
この動画にあるように、南海トラフ巨大地震の40年以内の発生確率が、これまでの「80~90%程度」だったのが、「90%程度」に引き上げられた。
大きな変更はないが、80%程度の可能性が低くなったと捉えることができる。
東海大学の長尾年恭教授は、ANNニュースのインタビューに答えて、「着実に南海トラフ巨大地震への階段をあがっている」と考えても良いと語っている。
■巨大地震が今すぐに起きる?
もっとも、私のブログやTOCANAを良く読まれている方には言うまでもないだろうが、南海トラフ巨大地震が「今すぐに」起きる可能性は非常に低いと考えている。
この辺は地震学者があまり研究してくれないが、私の研究の結果では、やはり「黒潮大蛇行」の状態が巨大地震のスイッチとなる可能性が高い。
2017年8月以降に続いている黒潮が南へ大きく蛇行する現象が終息するまでは、潮位などの関係で大蛇行の渦の内側にある南海トラフの海底では、地震の発生が抑制されるのだ。
この説は、元気象庁・岡田正実氏が最初に提唱したもので、私も独自に研究を重ねて同様の結論に至った。
そのため、現在の地震学者の大勢が認める説ではないので、そのつもりで理解してください。
■様々な被害
このニュース動画では、1/22の日向灘の地震で生じた被害状況を簡潔にまとめている。
これらの位置を下記マップでまとめる。
・水道管の破裂(大分市など10カ所以上)
・75mの地割れ(大分市)
・ブロック塀倒壊(佐伯市)
・大日寺の仏像倒壊(佐伯市)
・断水(宮崎県延岡市)
下記の写真は、大日寺(大分県佐伯市)で倒壊した仏像。
下記の写真は、大分市神崎の大分マリーンパレス水族館「うみたまご」の駐車場で、15mほどの長さにわたる地割れが生じた場所。
その現場はGoogleストリートビューで近づけないが、航空写真で見ると15mどころではなく、50m以上続いているように見える。
M6.6程度の地震で、しかも海溝型地震で、これだけの被害が出るとは意外だった。
日向灘というと宮崎県のイメージがあるが、実際の気象庁が定めた震源域は、北は大分県沖まで続いている。
上記マップでは、1919/1/1以降のM6.0以上の地震の震源を示しているが、今回の地震は日向灘の北端で起きたものだった。
そのため、震源に近い大分県の各地、特に大分市や佐伯市で大きな被害が出た。
■M7クラスの地震に備えて
上記マップでは、過去100年くらいの間にM6.0以上の地震が26回起きていた。
またM7.0以上に絞ると、5回起きていた。
そのうち最大規模は1968/4/1のM7.5、最大震度5で、死者1名の被害地震となった。
このようなM7クラスの大地震が起きれば、今回よりも更に大きな被害が予想される。
特に宮崎県や大分県にお住いの方は、そのことを忘れずに防災意識を高めて過ごしてください。
※災害時に断水して困るのがトイレ。
特に高層マンションなどは大変。