【地震】阪神・淡路大震災から27年:生き残るために何を学ぶか?(4)地名から地盤の良し悪しを探る~最優先事項

2022/01/23

阪神淡路大震災 被害地震 防災

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阪神・淡路大震災から27周年に合わせた短期連載の4回目は、「地盤と地名」ということをテーマにする。

ちょうどこの日に、TOCANAで私が執筆した地盤の重要さを示す記事が掲載されたので、その内容の紹介も行う。

※この記事は、2015/01/16に旧はてなブログに掲載した記事をリライトしたものです。

※アイキャッチ画像:【エリア:東灘区、カテゴリ:住宅、撮影場所:国道2号小路付近、作者:神戸市(CCライセンス 表示2.1 日本)】

神戸市『神戸市1.17震災写真オープンデータ』より。

(SSL化されていない、保護されていないサイトのため注意を)

■TOCANA記事

この7年前の2015/01/16にTOCANAに掲載された私の記事では、「地名と地盤」をテーマにしたもの。

あれから7年経って、現在は地名と地盤の関係について当時ほどは重視していないが、その理由は後述する。


まず、下記のトカナの記事の方を読んでみてください。


■潰れたホテル

今このTOCANAの記事で、衝撃的な事実を書いていた。
この記事の冒頭で紹介した、この写真。


【題名:フラワーロード北、作者:神戸市(CCライセンス 表示2.1 日本)】

これは、神戸市中央区のフラワーロードに建っていたホテルだ。
1階から完全に押し潰されている。
M7.3・最大震度7の地震で、ここまで潰れてしまうものなのか。

フラワーロードは、JR三ノ宮駅から北へ山陽新幹線・新神戸駅近くを通る県道30号。
下記マップで緑色でなぞった部分だ。



■旧河道が一番怖い

実は、このフラワーロードは、「旧河道」、つまり昔は生田川という河川だったところを道路にしたという。



このような旧河道の土地は、本来人が住んではいけないところなのだ。
阪神・淡路大震災では、このような旧河道の軟弱地盤の土地の上に建てられた建物の倒壊が非常に多かった。

東京都でも、かつては海だった土地が広がっている。
特に23区の東部の下町の殆どは、縄文時代は海の底だった。

次の首都直下地震では、そのような軟弱地盤の土地では、甚大な被害が出ることが予想される。

「不動産を買ってしまったから、いまさら動けない」という人もいるだろうが、自分や家族の命が失われることを回避することを最優先に考えるべきだろう。

■崩壊地名

神戸市が公開するサイト「1.17の記録」の写真で、「崩壊地名」に対応するところがないか探してみたが、神戸というところは、なかなかそういう地名が残っていない。

一つ、神戸市篠原南町の写真があった。


【写真コード:b023、エリア:灘区、カテゴリ:住宅、1995年2月12日、題名:篠原南町3丁目、作者:神戸市(CCライセンス 表示2.1 日本)】


この「篠原」の地名の由来として、「篠」は「濡れたところ」を意味するという説がある。

例の「神戸JIBANKUN」の地図を見ると、今でも近くを川が流れている。

(SSL化されていない、保護されていないサイトのため注意を)


おさらい的に書いておくと、立命館大学教授の高橋学氏によれば、地盤が弱く地震の時に危険な土地は、

 1.昔は海だった

 2.谷地

 3.旧河道

の順だという。


■昔は海だった

東京でいうと、23区内の0メートル/マイナス0メートル地帯の多くが昔は海だったところで、首都直下地震が起きれば甚大な被害が予想される。

下記サイトにあるマップでは、縄文海進時代の海岸線を示している。

(SSL化されていない、保護されていないサイトのため注意を)


ただし、東京の都心(特に東側)に住む人々にとっては、あまりにもショックが大きいかもしれず、見るのは覚悟が必要かもしれない。




このように、東京都23区の多くは、6千年前は海の底だった。
埼玉県でも安心できず、川口市や三郷市あたりまでが海だった。

これを見ると、千代田区以西は陸地だったので、渋谷あたりは大丈夫と思われるだろうが、そうは行かない。

■渋谷も安心ではない

TOCANAの記事では、谷地の例として渋谷と四谷を挙げておいた。
谷には、かつて川があったと推測される。
渋谷駅前のスクランブル交差点も、昔は川だったそうだ。
だが、それだけでなく、谷には全体に堆積物が溜まりやすく、そのような軟らかい土が弱い地盤の原因なのだという。


また、浅草は低湿地の例として紹介した。
高橋教授によれば、あの辺はほとんど縄文期に海の底にたまった軟らかい粘土が厚い層をつくっていて、表層数メートルは川の氾濫による堆積物だという。
なので、大きく揺れたら木造住宅は全壊状態になるだろうと。


昔ならば、旧河道のような地盤の弱いところは人は住んでいなかった。
それが、本来ならば人が住めないところまでも宅地造成が進み、山を切り開き、田んぼや川や沼を埋めて家を建ててしまった。
高度経済成長やバブル経済の果ての、自然破壊の結果なのだ。


前にも紹介したが、「巨大地震の後に襲ってきたこと」(別冊宝島Real 066)、地盤や地名について、非常に参考になる。
17年前の本だが、たとえ大震災でサバイバルしても、その後に不動産など様々な問題で悩まされることもあることがわかる。



■マンションの問題点

この本を読むと、マンションというのは色々問題がある。
元々マンションは、ディベロッパーに売ってしまえばそれで終わりで、オフィスビルよりも粗雑に造られる傾向にあるというのだ。


分譲マンションが倒壊した時にも、いろんなトラブルが待ち受けている。
もともとマンションというものは、自分のものといえるのは価格の10分の1ぐらいだという。
残りは共有で、自分だけではどうしようもない。
再建か、補修かの選択に迫られたときにも、「多数決」によって追い出されることだってあるのだ。


7年前ころは、地名と地盤など大地震で建物が倒壊するような土地の関係について探求していたが、今はそれほど重きを置かなくなった。
やはり人が住む土地の地盤は、個々の土地によって安全性や危険性が異なるからだ。
やはり、最も良いのは自分が住む家の地盤の良し悪しを専門業者に診断してもらうことだろう。



※これは良いかも。
大震災でこれのために助かったというレビューがある。











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