短期連載「生き残るために、阪神・淡路大震災から何を学ぶか?」の3回目。
今日は、大地震に備えるための防災用品、そして大地震が起きて被災してしまった時に役立つ物について考えてみたい。
以下に紹介するAmazonの商品の中には、各用途で最適な選択ではないものもあるかもしれない。
購入される際には、他の商品と比較してみると良いでしょう。
※2015/01/15のブログ記事をリライトしたものです。
■「優先順位」を考える
災害に際して必需品とされる物の筆頭は、備蓄食料だろう。
だが、私は食料は最低限あればOKだと考える。
東日本大震災で、餓えて亡くなった人がどれだけいただろうか?
政府や自治体の援助に加えて、さまざまな企業による物資援助があった。
そのへんの道でおじさんが倒れていても誰も声をかけない日本でも、大震災となれば助け合いの精神が芽生える。
物事には「優先順位」というものがあり、防災を考える際にも同様だ。
まず、生き残るための努力を最優先としなければならない。
帰宅困難者になった時の対策も重要だが、それも優先順位はそう高くなく、命を落としてしまったら何にもならない。
2014年3月の「真実を探すブログ」(現在は「情報速報ドットコム」に改称)の記事で、東日本大震災の経験者の多くが一番困ったことは、とにかく誰とも連絡がつかないことだったという。
■「自分は生き残れる」という妄信
食料備蓄を最優先で考えるという考えは、その根底に「自分(たち)は絶対に大災害から生き残れるんだ」というのが前提としてあるのではないかと思ってしまう。
だが、防災を考える際には、まず「どうすれば生き残れるか?」と考えるべきだと思うのだ。
何とか生き残れたとして、その後で食料備蓄がある。
通常は被災したとすれば避難所生活となり、最低限の食料は支給される。
そのため、まず自宅でサバイバルするために考えるべきことは、「軟弱地盤の土地に住まない」、「浸水リスクが高い土地に住まない」、「自宅の耐震対策をする」といったことが最優先事項としてあるべきなのだ。
「自分たちは絶対大丈夫」と根拠のない妄信をもつことは、社会心理学では「正常性バイアス」(正常化の偏見)と呼ばれる。
特に日本人の多くではこのバイアスが強く、「今までも大丈夫だったから今後も大丈夫だろう」と、根拠がないのに将来の災害のための対策を取らない。
大地震、火山噴火、台風・豪雨など水害に頻繁に襲われる災害大国の日本で、このITと科学技術の時代で、犠牲者が中々減らないのは、この正常性バイアスによる部分も大きいのではないだろうか。
■ソーラーなど電源
上記のブログ記事で紹介されているアンケートでは、一番困ったものは、停電、断水、ガソリン不足の順だったという。
ちなみに、ブログ主の山田氏は、ソーラー発電システムやポータブル充電バッテリーなどを準備し、電力が絶たれても活動できるようにしているという。
山田氏が使っているのは、Ankerの折りたたみ式ソーラーチャージャーのようだ。
モバイルバッテリーやポータブル電源に接続して使用する。
折り畳めばA4サイズになり、簡単に持ち運べる。
スマホの充電ぐらいは十分できるようだ。
同型番は在庫切れで、Ankerの後継機種で21Wの下記の製品がある。
他にAmazon全体では、Jackeryの同社のポータブル電源用の68Wのソーラーパネルが1000件以上のレビューで★4.5個と、評価が高い。
2年半ほど前に、ソーラーチャージャー兼モバイルバッテリーを購入してみた。
折り畳み式でソーラーパネル部分の面積が広く、良いと思った。
だが、買った後で知ったのは、太陽光でフル充電するのに1日がかりだとか。
なので、ソーラー充電機能は「オマケ」と考えておいた方が良い。
実際に屋外でソーラー充電したこともあるが、痛感したのは、大容量のものほどフル充電するまでにとんでもなく時間がかかるということ。
地方に行くと、自宅の屋根にソーラーパネルを設置しているところがある。
このような家は、災害で被災した際には、心強い味方となるだろう。
私が買ったのと類似の商品で、36800mAhの大容量で4500円くらいのものがある。
だが、「オマケ」が付いているというだけで価格が高くつくのはバカバカしいので、イザという時のためにと割り切るか、ソーラー無しのを買うのが良いだろう。
もっとも、こういうものでも実際に被災してサバイバルの世界になれば、「あ~あって良かった」と思うかもしれないが。
■大容量モバイルバッテリー
そのためには、スマホが欠かせない。
そのためには、できるだけ大容量のモバイルバッテリーが欠かせない。
こういうモバイルバッテリーは、容量が大きくなるほど重くなるが、災害時も考慮して、できれば20000mAh位は欲しい。
私が使用しているのはPoweraddのPilot X7で容量20000mAhのもの。
3年半前にAmazonで2千円くらいで購入したが、いまだに全く故障せず、ワンショルダーバッグに入れて持ち歩いている。
この大容量を使い切ったためしはなく、外出時に、サルちゃんと私用のiPhoneやタブレットを充電している。
こういうものは、時代と共に高性能で価格が安いものがどんどん出てくる。
上記のような充電バッテリーは、電気のライフラインが生きている時に充電できるものであり、停電時などには乾電池式のスマホ充電器も持っていた方が良いだろう。
■手回し充電
こちらの製品は、ラジオとライト付きポータブルバッテリーに手回し発電機能がついている。
3000mAHの大容量をすべて手回しでフル充電できるとは思えず、手回しはオマケ機能程度に考えた方が良さそうだ。
それでも、停電して乾電池もないといった状況では、あると役に立つかもしれない。
もし避難所生活を送らざるを得なくなった場合は、電気供給が可能であっても、一度に利用できる人数に制限があるだろう。
ソフトバンクショップなどへ行けば無料で充電してもらえるが、これも当然のように長時間の行列必須だろう。
時代を経るにつれて、被災時のインターネット接続の可否は非常に重要になってくる。
私が「食料より電気」を常々強調しているのは、このような理由によるものだ。
■情報収集手段
■灯り
自宅で被災して停電になって、夜に一番必要となるものは、何といっても灯り(あかり)だろう。
乾電池式またはUSB充電式のランタンが必要になる。
Amazonでベストセラーになっているのが、こちらだ。
5千個以上のレビューで★4.5個。
5200mAhモバイルバッテリー内蔵で、スマホなどの充電もできる。
ソーラー充電式のランタンもある。
4000mAHバッテリー内臓で、フル充電で最大100時間の光を提供するとある。
ただし、空状態からフル充電するのに1日くらいかかるようで、やはり被災時のみと割り切って買うことだろう。
このようなランタンは災害時に必要だが、ローソクも並行して常備しておくと、いざという時に役立つかもしれない。
こちらはヘッドライト。
私が3年ほど前に購入した、「Tomo Light LEDヘッドライト 充電式 長時間型 防災特化型モデル」
『累計販売数2万9千個突破』。
全国各地のテレビ取材、新聞、雑誌掲載多数ありの人気商品とある。
点灯時間は、「強」の設定で4~5時間、USBで充電時間は5時間ほど。
光は非常に強力で、気に入っている。
■ガスが止まった時のために
災害発生時に、停電だけでなく、ライフラインのガスが止まったら、どうなるか。
自宅で調理ができないし、風呂にも入れない。
風呂は我慢するとしても、食事をどうするか?
阪神・淡路大震災の時には、水道とガスが復旧するまでに3ヶ月かかったとか。
燃料と水の確保が大きな問題となる。
カセットコンロはどこの家にもあるだろうが、カセットボンベもある程度は備蓄しておきたいもの。
こういうものは、常時使用できるもので、たとえばうちではガスがない2階で鍋物をしたりするときに利用する。
冬季には、特に寒冷地では命を守るために暖房が必須となる。
ガスが止まったら、カセットガスのストーブがあれば便利だ。
下記の商品は、Amazonベストセラー1位のもの。
■家具などの固定
地震対策として、タンスなど大型家具の固定は最優先での実行が望まれる。
このような突っ張り棒を用いるのが一般的だろう。
だが、以前にテレビで見た検証実験では、震度7で突っ張り棒は外れたが、L字固定式のこの家具転倒防止用具は大丈夫だったという。
私のFacebookの友達で、阪神淡路大震災で被災された人がいる。
地震の時に、部屋にあった27インチのテレビ(ブラウン管式)が震度7で飛んできて、4メートルほど離れた自分を直撃したという。
よく助かったと思う。
今は液晶テレビになっているから、軽いために飛び方はもっと半端でないだろう。
震度7ぐらいの大地震になると、あらゆる家具などが凶器となり得る。
このような固定するものがあれば、安全性は増すだろう。
冷蔵庫などのキャスターは、はずすか固定した方が良い。
すごいスピードで移動してきたら凶器になるかもしれず、また移動して戸が開かなくなり脱出できなくなる可能性もある。
■備蓄食料
非常食については、食べ物には各人の好みがあるだろうし、いろんな種類の商品を紹介し始めたらキリがないだろう。
最近はこういうパンの缶詰などが流行りのようだ。
5年もつとある。
水をかけるだけで食べられるカレー。
1個あたり130円ぐらいと安く、5年もつそう。
味は、食べてみないと何とも言えない。
やっぱり日本人はパンよりもご飯でしょう。
5年ぐらいと、かなり保存が効くようだ。
たとえ配給があるとしても、ご飯が配られるとは限らない。
食生活で必須なのは、野菜だろう。
だが備蓄は難しい。
コーンは優秀な非常食だ。
炭水化物と食物繊維をとれる。
余談だが、ポップコーンはとてもヘルシーな食品。
ファミマで100円ぐらいで売っているものは、原材料がコーン、植物油、食塩のみと、余計な添加物類が入っていなく、半年もつ。
■その他の防災用品
防災頭巾は、地震発生後に外へ出る時は必須だ。
ウォータータンクは、水の配給を受ける時に必須になる。
これはキャスター付きで持ち上げる必要がなく、20Lも入る。
工具セット。
ドアや玄関が開かない時にはバールでこじ開ける。
下記のAmazonベーシックのものは51個のセット。
非常用トイレは、特に高層マンションなどでは欲しくなるだろう。
■百均で買えれば一番
下記のAmeba支部で紹介しているニュース記事では、100円ショップで買える防災グッズを紹介している。
なるべく安く買えるものは、Amazonなどで買う必要はないだろう。
他に、特に挙げておきたいものは、以下の通り。
上記ページで紹介していないものもある。
ダイソー:防水ポンチョ、非常用ローソク(8時間)、ライター、使い捨てショーツ、簡易トイレ、耳栓、ラップ(食器の上に敷くと洗わずに済む7)、ゴミ袋(簡易トイレ、防寒、カッパ)。
100円商品は壊れやすいので、予備も買っておくと良いだろう。
なるべく安く買えるものは、Amazonなどで買う必要はないだろう。
以上紹介してきた防災グッズのたぐいは、大半は私が実際に使用したものではない。
また、個人・地域・環境によって、こういうものが最適だというのは異なるだろう。
ある種類の物が必要と感じた際には、同様の商品をAmazonなどで探してみて、自分に最も適したものを購入することをお薦めする。