【地震】阪神・淡路大震災から27年:生き残るために何を学ぶか?(2)住宅の強度が生存の分かれ道

2022/01/18

阪神淡路大震災 被害地震 防災

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短期連載記事「生き残るために、阪神・淡路大震災から何を学ぶか?」の2回目。

1回目では、地盤の強弱によって生存が分かれることを書いた。

今回は、住宅の強度によって生存の可能性が分かれることを書くことに。

■住宅の強度

兵庫県南部地震、つまり阪神淡路大震災を引き起こした大地震では、住居の倒壊や家具などが倒れてきたことによる災難が大多数を占めていた。

国土交通省近畿地方整備局の「阪神・淡路大震災の経験に学ぶ」というページがある。



下記の日本木造住宅耐震補強事業者協同組合のサイトでは、阪神淡路大震災の時の木造住宅の倒壊の特徴として2パターンあったという。

【既にリンク切れ】


古い木造の家では、1階・2階とも崩れ落ちた。

また、比較的新しい木造の家は、1階が崩れ2階が落ちて来たという。

後者の場合、まだ2階にいた人が助かる可能性はあるかもしれない。


また上記サイトでは、壁の量が少ない家は地震に弱いという。

柱や壁が少ないと強度が不足するのは、鉄筋コンクリート造りでも同様だろう。

よくある、1階が駐車場の家。

見ていて危なっかしく、こういう家には住みたくないと思う。

また、近所のファミレスでは、1階スペースのほとんどが駐車場になっていて、柱しかないが、あれを見る度に、大地震でどうなってしまうのだろうと気が気でない。


建設業者の簡易耐震診断のサイトでは、総2階建ての家の方がバランスが良いという。

いわゆる「箱」として嫌われる形だが。



もうこれからの時代では、住居の見た目の良さなどよりも、どれだけ地震に対して丈夫かどうかが良い家のポイントとなるだろう。

たとえば一軒家でもマンションでも、窓が大きいのはアウトだ。


■家族を守るために最低限チェックを

下記の建築関連のブログに「阪神・淡路大震災からの教訓 家族を守るための3つの対策」という記事がある。



上記記事では、家族を守るための3つの対策として、以下を挙げている。


◎木密地域(木造密集地域)から脱出する

◎家具の転倒防止・配置見直し

◎わが家(戸建)の耐震診断をする


私ならば、この3つに加えたいものとして「地盤を確認する」があるだろう。

3つ目に含まれているのかもしれないが。


また、この記事では、東京都発表の『「木密地域不燃化 10 年プロジェクト」実施方針』の資料にある「木造住宅密集地域」マップを掲載している。

こちらでも以下に図板を引用しておく。


こうして見ると、東京都23区の特に山の手のあたりに密集しているようだ。

東京湾の方面を除いて、クロワッサン型に集中している。

私が住む小平市は、赤印を付けているが、市内に木造住宅密集地域が全くない。

「プチ田舎」をキャッチフレーズにしている市の強みがここにもある。


「Google防災マップ」というサイトをご存知だろうか?

(既にサービス終了した)

ここで、東京が中心となるが、自分が住む土地の災害時の総合危険度を確認できる。


このマップで、真っ赤になっているところ、つまり「危険度5」として最も危険だとされる地域は、23区内の低地は当然として、いわゆる京浜工業地帯にも目立つ。

これを見ると、便利で人気が高いところほど危険度が高い場合が多いようだ。

住む町の選択基準を根底から見直すべきだろう。


ちなみに、私が住む地域をピンポイントで見ると、最低の危険度1だ。

再びホッとする。

だが、いま住んでいる借家は、問題がある。

木造の、かなり古い家だということだ。


■「地盤」が最優先

大地震に備えて、やっておいた方が良いことは色々ある。

たとえば、近所の避難所を再確認すること。

特に、小さな子供にも周知する。


また、生き残るために最も大切なことの一つだが、寝室に高い家具を置かないこと。

うちは完全にそれを実践していて、寝室にタンスなどは一切ない。

どうしても高い家具を置かざるをえない場合、つっぱり棒などの防災用具を利用することだろう

こういうグッズは、それなりに効果はありそうだが、疑問点もある。

たとえば、天井や壁が歪んだらどうなるかとか。


何度も繰り返すが、大地震から助かるためには、住んでいる土地の地盤が最優先だ。

その次が、建物の強度の順になる。

これからの住む土地選びは、「生活の便利さ」「人気」「流行」「ステイタス」「見栄」といったものを全部捨てて、「生き延びられる」という観点から選択すべきではないだろうか。


(2015/01/14初出の記事をリライト)



※防災士監修の防災セット。







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