今日15時頃(日本時間)、米国アラスカ州アリューシャン列島でM8.2の地震が起きたが、今後の日本への影響を考えてみる。また、台風8号が通過した後で、予想していた地点で起きた地震があるようだ。
■アリューシャン列島M8.2
この地震の詳細は以下の通り。
M 8.2 - 104 km SE of Perryville, Alaska
Time:2021-07-29 15:15:47 (UTC+09:00)
2021/07/29 15:15(日本時間)
Location:55.325°N 157.841°W
Depth: 32.2km
震源は、アリューシャン列島のPerryvilleという島の北東104kmほどの地点だった。
日本での津波の可能性は、気象庁の発表によると、多少の潮位の変化が考えられるものの、被害が出る津波の心配はないという。
アラスカ州では現地時間22:15頃に地震が発生した。
現時点では、被害の情報は入っていない。
下記YouTube映像では津波警報が鳴っているが、明るいので翌朝のようだ。
このくらい派手に警報が鳴れば、気づかないことはないだろう。
■M8クラスの地震の頻度
M8クラスの地震は、世界で今年2021/03/04にケルマデック諸島でM8.1の地震が起きて以来だった。
過去5年では、下記USGSマップのように、M8.0以上の地震が5回起きていた。
もちろん、すべて環太平洋(リング・オブ・ファイア)上で起きていた。
M8.0以上の地震は、世界で平均して1年に1回起きるか起きないかだ。
M9クラスとなると、上記noteで書いているように、1世紀に何度起きるかというレベルになる。
■過去のアリューシャン列島の大地震
アリューシャン列島付近では、過去120年間ほどでM8クラス以上の地震が5回起きていた。
1938/11/10:M8.2
1946/04/01:M8.6
1964/03/28:M9.2
1986/05/07:M8.0
2021/07/29:M8.2
これに、前後で日本や環太平洋で起きていた大規模の地震を加えると、以下のようになる。
1938/11/05:福島県東方沖地震、M7.5、津波、犠牲者1人。
1938/11/10:アリューシャン列島、M8.2
1939/01/25:チリ中部、M8.3、犠牲者2万8千人。
1939/04/30:ソロモン諸島、M8.0、犠牲者10人。
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1946/04/01:アリューシャン列島、M8.6
1946/08/04:ドミニカ、M8.0、犠牲者100人。
1946/12/21:昭和南海地震、M8.0、津波、犠牲者1443人。
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1964/03/28:アラスカ地震、Mw9.2、犠牲者131人。
1964/06/16:新潟地震、M7.5、犠牲者26人。
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1986/05/07:アリューシャン地震、M8.0
1986/10/20:ニュージーランド、M8.3
1986/11/15:台湾花蓮沖、M6.8、犠牲者13人。
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2021/07/29:アリューシャン列島、M8.2
環太平洋の北側が動き出すと、全体が活発になったり、場合によっては西側の日本あたりが活動が活発になることがある。
■台風8号の後で起きた地震
次に、昨日の続きで、台風8号が過ぎた後で東日本で起きた地震を見てみる。
まず、この部分。
今日起きた地震は、緑色の文字で追記している。
今朝3:20に千葉県東方沖でM4.3、
16:17に茨城県沖でM4.1の地震が起きた。
上記マップ上で、千葉県東方沖は台風のカーブが緩く、予測していなかった。
このくらい離れていると、台風とは関係なく起きたのかもしれない。
次に茨城県沖M4.1が起きたが、こちらは予想通りで、ピンクで囲んだ部分で起きた。
昨日のM4.5だけで終わらないかもしれないと書いたのが、その通りとなった。
もっとも、これらの地震は台風の進路のカーブが緩く、また規模も小さ目なので顕著なものではない。
他の前兆と同様に、短時間で地震が起きる場合は、より震源が近く小規模で終わりやすい。