名古屋大学の福和伸夫教授が執筆中の連載で、起きれば国難となる南海トラフ巨大地震が起きた後の「復興」の話まで行きついている。
また黒潮大蛇行の最新状況から南海トラフなどの地震発生の可能性も見てみたい。
■「発生シナリオ」
名古屋大学の福和伸夫教授がYahoo!ニュースで行なっている連載で、起きれば国難となる南海トラフ巨大地震が起きた後の「復興」の話まで行きついているが、それはわれわれがあまり想像したくない面も含まれるようだ。
10日ほど前になるが、『南海トラフ地震の「発生シナリオ」を考えてみる -【その5】より良い復興で日本再生』が掲載されていた。
筆者は、福和伸夫、 名古屋大学減災連携研究センター教授。
この人が書くことは、スルーできないものが多い。
これもその一つ。
南海トラフ地震の発生確率の考え方は色々あるが、時間予測モデルに基づくと、昭和の地震から次の地震までの平均的な期間は88.2年とされる。
そして、今後30年間の地震発生確率は70~80%という。
前回の南海トラフ巨大地震は1946年の昭和南海地震だから、既に75年経過している。
平均88.2年というのは、確率的範囲内では、今年起きても不思議ではない。
ただし、実際いますぐに起きるとまでは言わない。
その根拠は、後述する。
■地方創生の後で
福和氏によると、19年後の2040年の日本の人口は1億1千万人ほどで、高齢者の割合が増えて、高齢世帯の4割が単独世帯となる。
さらに、出産年齢の女性が半減する地域が増えるという。
そうなると、南海トラフ巨大地震でも他の大地震でも、人口減少と高齢化の問題がある中で、それが地方の衰退などの課題を解決する機会と捉えようという態度が大切だという。
「ソノサキ」を行っている学者さんだと思えてくる。
大正関東地震(1923)の後では、帝都復興計画が立案され、近代都市・東京の基盤が整えられた。
将来を見据えた復興のおかげで、今の東京があると福和氏は述べている。
その後も度重なる大地震や水害のあとで、金融恐慌、国連脱退、二・二六事件と続いた。
なんだか現代の日本に似ていると思えてくる。
明らかにそういう方向へ日本を持って行こうという存在がいることは否めない。
明るい可能性もある。
人口減少と地方創生が進めば、都会の危険地帯からの撤退も容易になる。
567禍に端を発した「家で仕事」の定着もある。
物理的な距離の遠さは、昔ほどには問題にならなくなった。
■南海トラフが動く可能性
自分の研究では、元気象庁・岡田正実氏の研究を踏襲して、「黒潮大蛇行」の観点から発生トリガーとなる時期を考えている。
ちょうどJAMSTECの黒潮の最新の長期予測が、今日YouTubeで公開された。
この『2021年9月18日までの黒潮「長期」予測』の動画を見ると、黒潮大蛇行はあと2ヵ月くらいはこのまま続きそうだという予測になっている。
ただし、これはあくまでも予測であって、次回はコロっと変わる可能性も、無くは無いが。
岡田正実氏や私の説では、黒潮大蛇行が発生中は潮位の変化などによって、南海トラフ巨大地震の発生の可能性は低くなる。
以下に、黒潮大蛇行が知られた以降の南海トラフ巨大地震の発生時期を示す。
【大蛇行】1854年(開始・終了月不明)(1年間?)
【南海】1854年12月23日:安政東海地震、M8.4
【南海】1854年12月24日:安政南海地震、M8.4
【大蛇行】1934年3月1日~1944年前半(約11年間)
【南海】1944年12月07日:昭和東南海地震 M7.9
【南海】1946年12月21日:昭和南海地震 M8.0、犠牲者・行方不明者1,443人
【大蛇行】2017年08月下旬~202x年
【南海】202x年:令和南海トラフ地震?
■黒潮大蛇行と猛暑の五輪
黒潮大蛇行が続行中の今、南海トラフの観点では安心できても、安心できない面もある。
それは、「猛暑」だ。
東北大学の杉本周作氏らの報告では、太平洋岸を進む黒潮が大蛇行することにより、今年の夏は蒸し暑い不快な日が6割程度も増えるという。
気象庁も、8月の関東甲信地方の気温は「平年並か高い」と予測している。
私は567禍の前からTOCANAなどで警告していたと思うが、猛暑の五輪は「二重苦」となり得る。
これはまだ公の場で発表していないが、近日中に衝撃的な情報を公開する予定だ。
■今日の前兆現象
※ペパーミント、ラベンダー、ユーカリ、メンソールの爽やかな香りが少々の体調不良を吹き飛ばす。
以前は「アブナイ薬」と思われていたのか、輸入禁止だったが、今ではAmazonでも買える。