5/30に小笠原諸島で深さ517.6kmの無感地震が起きたが、この震源域でこの深さの深発地震が起きた後で大地震が続くことが多いので、事例とともに紹介する。
■小笠原諸島M5.4
5/30に起きた小笠原諸島の地震の詳細は以下の通り。
2021/05/30 22:33:小笠原諸島、M5.4、深さ517.6km
この地震は、気象庁発表の有感地震にはならなかったので、通常はその地震の存在さえ気づかない。
私の場合は、常時米国USGSのサイトのM2.5以上の地震のマップを見ているので、すぐに気が付いた。
ただし、地震情報はすべて英語表示になる。
■過去の深発地震
以下に、1900年以降に日本で起きた500km以上の深さの地震の1ヵ月くらい以内に大きな地震が起きた例を示す。
1974/04/29 17:28:小笠原諸島、M4.0、深さ500km、最大震度4。
1974/05/09:鳥島近海、M7.3、深さ454km
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1975/06/05 02:59:小笠原諸島、M4.7、深さ503km
1975/06/10:北海道東方沖、M7.0、最大震度1、花咲港で津波95cm
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1978/02/21 00:36:小笠原諸島、M4.3、深さ534km
1978/03/07:東海道南方沖、M7.2、最大震度4、深さ440km
1978/03/23:択捉島南東沖、M7.3、最大震度3
1978/03/25:択捉島南東沖、M7.3、最大震度3
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1980/01/17 18:21:小笠原諸島、M5.3、深さ541km
1980/01/19:三陸沖、M7.0、最大震度4、犠牲者2人。
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1982/06/15 12:14:日本海、M4.2、深さ590km
1982/07/23:茨城県沖、M7.0、最大震度4
1983/05/26:日本海中部地震、M7.7、最大震度5、大津波、犠牲者104人。
1983/06/21:青森県西方沖、M7.1、最大震度4
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1983/06/15 15:46:小笠原諸島、M4.2、深さ546km
1983/06/21:青森県西方沖、M7.1、最大震度4、犠牲者1人。
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1994/09/19 02:14:小笠原諸島、M4.4、深さM534km
1994/10/04:北海道東方沖地震、M8.2、最大震度6、犠牲者・行方不明者11人。
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1995/01/06 20:53:小笠原諸島、M4.5、深さ511km
1995/01/17:兵庫県南部地震、M7.3、最大震度7、犠牲者・行方不明者6437人。
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1998/04/12 14:00:小笠原諸島、M4.3、深さ505.7km
1998/05/04:石垣島南方沖地震、M7.7、最大震度3。
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2000/06/04 15:39:小笠原諸島、M4.1、深さ535km
2000/06/26~8月:新島・神津島・三宅島近海で群発、三宅島噴火。
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2000/09/08 20:18:北朝鮮東北沖、M4.9、深さ582km
2000/10/06:鳥取県西部地震、M7.3、最大震度7相当
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2001/12/10 04:19:小笠原諸島、M4.7、深さ502.8km
2001/12/18:与那国島近海、M7.3、最大震度4、津波20cm。
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2003/08/25 22:47:小笠原諸島、M4.3、深さ500km
2003/09/26:十勝沖地震、M8.0、最大震度6弱、津波2m以上、犠牲者・不明者2人。
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2005/03/02 00:44:小笠原諸島、M4.3、504.5km
2005/03/20:福岡県西方沖地震、M7.0、最大震度6弱、犠牲者1人。
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2011/02/27 09:40:小笠原諸島、M4.2、深さ501.7km
2011/03/11 14:46:東北地方太平洋沖地震、M9.0、最大震度7、犠牲者・行方不明者約2万2千人、津波。
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2021/03/03 23:10:小笠原諸島、M4.1、深さ505.5km
2021/03/20:宮城県沖、M6.9、最大震度5強。
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2021/05/30 22:33:小笠原諸島、M5.4、深さ517.6km
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このように見ていくと、あることを強調したくなってくる。
それは、「小笠原諸島で深さ500km以上の深発地震が起きたら大地震に注意を」ということ。
ただし、小笠原諸島の深さ500km以上の深発地震のすべてが大地震に繋がるわけではない。
また、小笠原諸島でも深発地震が起きた後で、フィリピン海プレート上やオホーツクプレートで大地震が起きることも多い。
■深発地震は決まった場所で起きる
「深発地震」の明確な定義はないが、通常は震源が200km以上の深さの場合にそう呼ばれることが多い。
今回は、「このくらい以上」という見当をつけて、深さ500km以上という条件で検索してみた。
1900年以降に深さ500km以上の深発地震は、日本付近では328回起きていた。
ただし、これは下記マップ上の北朝鮮沖も含めた数だ。
これを見てわかるように、深発地震は起きるところが決まっている。
そして、深さ500~670kmで深発地震が起きることが多い。
以前に、「異常震域」の深発地震の後で大地震が起きる説を公開したが、あれとはまた別の条件になる。
あの場合は、深さ350km以上で、且つ「異常震域」つまり震源から離れた場所で震度1以上の有感地震となるという条件がある。
今回紹介しているのは、深さ500km以上の地震という条件だけで、結果的に後で国内の大地震が続くケースは、小笠原諸島が震源の場合がほとんどのようだ。
もっとも、このくらいの深さでは、小笠原諸島か北朝鮮沖と場所が決まっているので、当然と言えるかもしれない。
■6月は大地震に注意
私はいつも「1日1テーマ」で研究することが多いが、今日もまた「プチ発見」をしたかもしれない。
もちろん、こういうことは趣味や道楽で行っているのではなく、少しでも被害が出るような大地震を前もって突き止めたいという一心で行っている。
というわけで、6月には大地震が多いとか、6/10の日食前後は大地震に注意とか、このところ色々書いてきたが、今回もう1つ条件が加わってしまったようだ。
6月中は、大きな地震には注意してください。
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