今日は台湾でM5.4とM5.8の地震が続いたが、トカラ列島近海で群発地震が起きているいま、フィリピン海プレート境界付近で大きめの地震に注意を促している最中に起きた「想定内」の地震だった。
■台湾M5.8
今日の台湾の地震は、日本では有感地震にならなかったので、米国USGS発表の規模を使うことにする。
2021/04/19 08:11:台湾・花蓮県、M5.4
2021/04/19 08:14:台湾・花蓮県、M5.8
このように、M5.4の3分後にM5.8の地震が起きた。
台湾では日本のような震度階級で地震の規模を示すが、昨年1月、震度階級を細分化して、これまで「震度6」といった階級を「震度6弱」「震度6強」という形で示すようになった。
その後はじめて起きた「震度6弱」の地震となった。
M5クラスでも、震源が浅い内陸地震だったこともあって、落石などが起きたようだ。
■「トカラの法則」
一昨日4/17にYouTubeで公開した動画『【地震前兆】「トカラの法則」は本当?トカラ列島近海の群発地震は大地震・噴火の予兆か?過去事例を多数挙げて検討する。』では、トカラ列島近海で群発地震が起きた後で大規模な地震が続いた例を紹介している。
この例では、1996年と2016年の群発地震の後で、下記のように台湾でも大きな地震が続いた。
◎1996/02/17~24: 8日間で17回
→1996/03/05:台湾付近、M6.6
→1996/03/06:台湾付近、M6.1
◎2016/04/24~26 3日間で11回
→2016/05/12:台湾付近、M6.5
→2016/05/12:台湾付近、M6.4
トカラ列島や琉球諸島は、最新のマイクロプレート理論によれば沖縄プレートの上に乗っていて、フィリピン海プレートが沈み込んでいる。
その端にある台湾もフィリピン海プレートの影響下にあるわけで、また日本の関東地方のように、複数のプレートが複雑に隣接している。
台湾付近では、巨大地震はあまり起きないが大地震のレベルが多発するのも、このような理由からだ。
■「台湾-西日本地震連鎖の法則」
以前から「台湾-西日本地震連鎖の法則」と仮に名付けているが、台湾で大きめの地震が起きた後は、同じフィリピン海プレートが沈み込んでいる西日本あたりでも大きな地震が続くことが多い。
全ての例を挙げたらきりがないので、抜粋していくつかを挙げる。
◎1922/09/01:台湾北東部、M7.1
→1922/09/17:与那国島近海、M6.7、最大震度2
◎1922/10/14:台湾北部、M7.0
→1922/12/08:橘湾、M6.9、最大震度5
◎1925/04/16:台湾南部沖、M7.0
→1925/05/23:兵庫県北部、M6.8、最大震度6
◎1930/08/20:台湾北東部沖、M6.8
→1930/11/26:静岡県伊豆地方、M7.3、最大震度6
◎1937/12/17:台湾南東部、M6.6
→1938/01/1:和歌山県南方沖、M6.8、最大震度5
◎1951/06/20:台湾北部沖、M6.1
→1951/07/12:小笠原諸島西方沖、M6.5、最大震度3
◎1958/01/22:台湾中部沖、M6.0
→1958/02/18:鳥島近海、M6.9、最大震度3
→1958/03/11:石垣島近海、M7.2、最大震度5
◎1961/02/04:台湾北部沖、M6.1
→1961/02/27:日向灘、M7.0、最大震度5
◎1963/02/13:台湾北部沖、M7.2
→1963/03/27:若狭湾、M6.9、最大震度5
◎1966/03/12:台湾北部沖、M7.5
→1966/03/13:与那国島近海、M7.3、最大震度5
◎1968/02/26:台湾南部沖、M7.1
→1968/04/01:日向灘、M7.5、最大震度5
◎2000/06/10:台湾北部、M6.4
→2000/07/01:新島・神津島近海、M6.5、最大震度6弱
→2000/07/30:三宅島近海、M6.5、最大震度6弱
◎2009/07/13:台湾北部沖、M6.3
→2009/08/05:宮古島近海、M6.5、最大震度4
◎2018/02/06:台湾・花蓮、M6.4
→2018/04/09 01:32:島根県西部、M6.1、最大震度5強
◎2019/04/18:台湾花蓮地震、M6.4
→2019/05/10 08:48:日向灘、M6.3、最大震度5弱
つまり、トカラ列島近海群発地震→台湾→西日本と、また巡って西日本で揺れるパターンもあるわけだ。
そして、フィリピン海プレートと沈み込みエリアで大きな地震が続くと、今度はオホーツクプレート上の東日本にも連鎖することが多い。
今日はそこまで書きたかったが、時間的にきりがないので、別の機会にしたい。
※災害時のトイレ対策は大事。