4/6の記事で紹介した北海道から東北で観測された「ハロ」に対応する地震が起きたかどうか検証する。
また、ラニーニャ現象が終息間近と気象庁が発表したが、その後に太平洋の大地震の発生傾向がどう変わるかを、過去データと共に説明する。
■ラニーニャ現象が終息間近
まず、ラニーニャ現象とは何かだが、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温が平年より高くなり、その状態が1年ほど続く現象のこと。
反対に、同海域で海面水温が平年より低くなることをエルニーニョ現象と呼ぶ。
4/9に気象庁が発表した「エルニーニョ監視速報(No.343)について」では、下記のような概要とともに、ラニーニャ現象の概況を解説している。
・昨年夏から続いているラニーニャ現象は弱まりつつある。
・ラニーニャ現象は春の間に終息する可能性が高い(80%)。
・夏は平常の状態である可能性が高い(70%)。
(エルニーニョ現象もラニーニャ現象もない)
つまり、2020年夏に始まったラニーニャ現象は、5月までに終息する可能性が高いという。
■エルニーニョ・ラニーニャ期間中の地震分布
まず、昨年夏から現時点までに環太平洋で起きたM7.0以上の地震の分布を下記マップで示す。
次に、比較対象として、2018年秋~2019年冬にかけて起きたエルニーニョ現象の最中に起きたM7.0以上の地震の分布を示す。
両者はあまり変わらないが、たまたまかもしれないがエルニーニョ発生中は日本で大きな地震が起きていなくて、南米で1回起きていた。
もう一つ、エルニーニョもラニーニャも起きていなかった2019年秋~2020年夏の期間のM7以上の地震分布図も示す。
この3つのマップのいずれも、東南アジアから南太平洋あたりでは、いつの期間でも大地震が多いように思える。
これは何故かというと、あくまでも推測だが、あのあたりは年中海水温が高く、平年からの偏差があまりないということが理由の一つとしてあるのではないか。
そのことは、下記の今回のラニーニャ現象発生中の海水温偏差のマップを見れば見えてくるかもしれない。
■海水温+大気の現象
もう一つには、エルニーニョやラニーニャというのは海面水温だけでなく、大気の状態とセットになっている現象で、エルニーニョは正式には「エルニーニョ・南方振動」と呼ばれる。
大気の観点では、インドネシア付近と南太平洋東部で海面の気圧がシーソーのように連動して変化する。
そして海洋では、赤道太平洋の海面水温や海流などが変動する。
下記の図のように、エルニーニョ発生中は日本では気候が温暖になる。
このようなことを総合的に考えあわせると、両期間の大地震の分布の違いが見えてくるかもしれない。
上記のラニーニャ期間中の海面水温の偏差が、特に東日本の大平洋沖では非常に高くなっているが、それが地震発生に影響を与えているのだろうか。
10年前の東北地方太平洋沖地震も、今のようにラニーニャ現象の終息間際に発生したものだった。
そして2/13の福島県沖、3/20の宮城県沖の地震を考えあわせると、これらの発生は「たまたま」ではないのではないかと思えてくる。
■ハロは前兆か?
ラニーニャのことに大分時間がかかったので、こちらは手短に。
4/6の記事で、この日に北海道や東北北部で「ハロ」が見られたことを書いた。
下記の写真は、2021/03/20 11:54に秋田県男鹿市で撮影されたもの。
この日の夜に、下記の地震があった。
・2021年03月20日18時09分:宮城県沖
牡鹿半島の北東20km付近、M6.9、最大震度5強
ハロが地震前兆であるとすれば、この地震に対応するものだったのか。
もっとも、上記の気象サイトでも解説しているように、ハロは天気が下り坂になる時に出現するとある。
それはそうなのだろうか、プラス地震の前兆である場合もあるのではないか。
大体地震の発生と気圧や気象とは密接に関連しているので、そのことは矛盾しないと考えるのだ。
同じ日に長野で見られた幻日環の方は、対応する地震が起きていないかもしれない。
ハロの後で地震が起きた例をまとめた表を、今日は数件追加したので、再度示しておく。
※女性向けの防災用品ということでは、男ではわからない生理用品なども考慮に入れないと、無いと大変ということになる。
下記のものがお勧めとか、そういうものが含まれるということでもないが、このようなものもあるという例として。