秋田県の明菜さんがブログで書いている、釧路市で海水が大きく引いていることを知り、昭和南海地震の前にも起きていた地震前兆としての異常干潮である可能性を考えてみる。
また今日は長野県や北海道で「ハロ」や「日環」といった太陽の光学現象が起きていたが、地震の前によく現れるものなので前兆の可能性を検討してみる。
■「ハロ」と「幻日環」
まずは、「ハロ」と「幻日環」のニュースの方から。
ウェザーニュースによると、今日4/6 13:47に長野県白馬村で、空に弧を描く帯が撮影された。
「幻日環」と呼ばれる光学現象で、上空高い所に広がる雲を構成する氷の粒が太陽の光を反射することで現れる。
同じ頃、4/6 13:53には北海道七飯町で、「ハロ」が撮影された。
北海道や東北北部で広く見られたようだ。
「ハロ」とは、暈(かさ)や日暈(ひがさ)とも呼ばれるが、上空の高いところに太陽が透けて見えるくらいの薄い雲が広がっている時に、太陽の周りにボンヤリと見えるリング状の明るい部分のこと。
■過去の虹色現象などと地震の関係
ハロ・日暈・幻日環、そして他のアーク(虹)の類は、見られた後で大きめの地震が起きることが多い。
その例は多数あるが、そのうち、主に「ハロ」「幻日環」が起きた後で周辺で地震が起きた例を以下に示す。
このように、これらの現象が太陽で見られると、数日中に周辺で地震が起きることが多い。
■釧路で異常干潮?
次に、こちらの方が場合によっては重要かもしれないが、秋田県の明菜さんが昨日と今日のブログ記事で書いていたこと。
釧路市の海岸で、数日前から海水が引いてるという。
このことをネット上で探すと、釧路で昆布が見えるくらいに海水が減っていると、同様の情報を何人かの人がTwitterでツイートしている。
■昭和南海地震
では、これが事実だとして、大きな地震の前兆である可能性があるだろうか。
それは、あり得るかもしれない。
というのも、同様の異常干潮の現象は、たとえば1946年12月21日に発生した昭和南海地震の前にも見られていたからだ。
私がバイブルとする本の1冊に『南海地震は予知できる』(中村不二夫、高知新聞企業)がある。
これは過去に何度も紹介しているが、その存在そのものが感動的な本だ。
著者は、かつて高知市仁井田の海里マリン病院で送迎バスの運転手として働かれていた中村不二夫さん。
現在は78歳くらいで、「NPO法人南海トラフ地震直前予知連絡会」を主催されているようだ。
■5つの前兆現象
中村さんは(昭和)高知県の南海地震の経験者である古老に聞きまわって、この南海トラフ巨大地震の前兆現象があったことをつきとめた。
それは、以下のものだった。
(1)異常干潮:地震前日の夕方5時頃から大きく潮が引いていた。
(2)井戸水が枯れた:高知市の民家では、2~3日前から釣瓶で汲めないくらいに井戸が枯れた。
(3)海水汚濁:高知県宇佐町沖合いでは操業していたサバ漁船が、船の流れを安定させるための漁具に、ドロドロしたヘドロのような汚物が付着し、海藻が腐ったような異臭がした。
(4)地震前の暖気:地震の数日前から、12月にしては異常に暑かった。
(5)スルメイカの大漁:その年はスルメイカがよく獲れた。
ここで問題にするのは(1)で、この本では非常に多くの事例が紹介されている。
あまりにも証言が多いために、今日だけでそれらをまとめる余裕はない。
■異常な引き潮
中村氏の調査の結果、昭和南海地震の前日の夕方5時頃に、高知県の各地で異常な引き潮が発生していた。
だが、それが起きたのは通常の干潮の時刻とは全く異なる日時だった。
そして、その11時間ほど後にM8.0の南海地震が発生した。
他の井戸水の変調などを考え併せて、地震の1週間前から地殻変動が始まり、約11時間前から急激に変動したと中村氏は推測した。
この本はバスの運転手だった人が書いたにしては、非常にジャーナリスティックな観点でまとめられていて、物書きとして脱帽する。
「執念」といっても良いかもしれない。
昨日の記事では、北海道東部で地震が連発していることを書いた。
地震は今日になって収まっているようだが、前述の異常干潮のことも考えあわせると、やはり大きな地震を警戒した方が良いかもしれない。
『サルちゃんのタイ料理三昧ブログ』「グリーンカレー」