今日のYahoo!ニュースで、火山噴火・マグマ学の権威である神戸大・巽好幸教授がトカラ列島群発地震について書かれていて、「南海トラフ地震」や「鬼界カルデラ」の大規模カルデラ噴火についても言及しているので、その可能性を検討する。
■マグマ学の権威が語る
今日Yahoo!JAPAN個人ニュースに、『トカラ列島近海、4日間で200回超の地震が発生:南海トラフ地震や火山噴火との関係は?』と題した記事が掲載された。
執筆は、ジオリブ研究所所長(神戸大学海洋底探査センター客員教授)の巽好幸(たつみよしゆき)氏。
ちなみに、私もカルデラ噴火、破局噴火について早くからTOCANAで執筆していた。
2015/08/25の記事『【警告】桜島大噴火したら「再稼働の川内原発壊滅」「放射性物質入り火山灰が日本全土に飛散」?』が最初だと思った。
巽氏は、「マグマ学」やカルデラ噴火研究の権威として、以前から注目していた。
このニュース記事を見つけて、巽氏がトカラ列島近海の群発地震について、どういう意見を持たれているか関心があった。
■直下型地震
まず、巽氏は、トカラ列島周辺は日本でも有数の火山密集地帯であり、火山噴火との関連も危惧されるとして、更にこの地域の地下にフィリピン海プレートが沈み込み、その活動によって起きる南海トラフ地震との関係も心配だと書く。
今回の「トカラ列島群発地震(仮称)」は、悪石島の南西20〜30km周辺の地下約20kmの深さで起きている。
今回の群発地震と南海トラフ地震との関連性を指摘する専門家もいる。
だが、今回の群発地震は、海溝型地震ではなく、「直下型地震」だという。
このような直下型と海溝型地震の因果関係は、科学的には認められていないため、この群発地震を南海トラフ地震の前兆と考える根拠はないとしている。
私は昨日の記事で、1944年の昭和東南海地震の2年前頃から今回の群発地震と同じエリアでM4~M5クラスの地震も起きていたので、南海トラフ巨大地震との関連性を示唆することを書いておいた。
だが、もちろんマグマ学の権威の巽氏が書かれることの方が説得力がある。
それでも南海トラフとの関係を全く捨ててはいないが、ごく低い可能性として考えた方が良いだろう。
■鬼界カルデラとの関係
そして、いよいよ巽氏の専門分野の火山活動との関連について言及する。
今回の群発地震の震源の周囲には、口之島、中之島、諏訪之瀬島の3つの活火山がある。
そして、震源域の約150km北方には「鬼界カルデラ(薩摩硫黄島火山)」がある。
ここで起きた7300年前の超巨大噴火では、火砕流が南九州縄文文化を壊滅させ、火山灰は関東地方にまで達した。
このような火山密集域で群発地震が起きたことは、火山活動との関連性も気になる点だという。
だが、今回の群発地震では、噴火の切迫性を示すものとは考えにくいという。
それでも地下深部20kmでもマグマが存在する可能性はあり、それが上昇して大規模噴火を起こす可能性はあり、注意深く見守る必要があると書かれている。
マリアさんも、昨日発行したnoteマガジン『ヒプノセラピストマリアと百瀬直也の予言三昧マガジン』の記事で、鬼界カルデラとの関連性を話題にしていた。
鬼界カルデラについて、マリアさんはブログで何度か書いているが、ちょうど2年前から、気になり始めたようだ。
■巨大カルデラ噴火銀座
巽氏は、九州から南西諸島北部にかけて、過去に超巨大噴火を起こした火山が並んでいて、それを「巨大カルデラ火山銀座」の様相を呈していると例えている。
7300年前に縄文文化が滅んだように、文字通りの「破局噴火」が起きれば、規模によれば1億2千万人の犠牲者が出る、つまり日本人の殆どが亡くなる見積もりも出されている。
「破局」の可能性は、まったく誇張ではなく、そのような巨大噴火は、九州地方では「いつどこで起きてもおかしくない」と巽氏は別記事で書いていた。
特に、九州・沖縄に住む人々は、今のうちにこのような知見を深めて、サバイバルのために準備をされた方が良いかもしれない。
大規模カルデラ噴火(破局噴火)が起きれば、原発施設をどんなに頑丈に造ったとしても、あとの祭だ。
火山学者の方々の多くは、おそらく「忖度」して、そこまで考慮した見積もりを出してくれていないのではないか。
私も、そういうことを書くと止められることもあるし。
なので、こういうことは自分で「探求」するしかない。
国民の方々、賢くなりましょう、ということ。
※『破局噴火-秒読みに入った人類壊滅の日』、高橋正樹著、祥伝社。
日本を代表する火山学者が、実際に「破局噴火」が起きたらどうなるかを具体的に示す。