四国電力・伊方原発3号機の運転差し止めを命じた広島高裁(横溝邦彦裁判長)の仮処分決定が、四国電の申し立てによる異議審で、異議が認められ運転を容認する決定がなされた。
そうなると、今後の大地震・津波・「破局噴火」を含めた火山噴火などで破局的な原発事故が起きる可能性がないかどうかを考えてみたい。
■伊方原発再稼働へ
広島高裁は昨日3/10に、運転差し止めを命じた仮処分に四国電力が異議を申し立てたことを認めて運転を容認する決定をした。
詳細は書かないので昨日の報道を見てください。
横溝裁判長は決定理由で、四国電力が実施した海上音波探査の結果「原発敷地2キロ以内に活断層はない」とした評価や、基準地震動の算定は不合理ではないと指摘した。
加えて、阿蘇カルデラが大規模噴火を起こす危険性については「可能性が具体的に高いとは認められない」とした。
■活断層地震だけ?
この決定について、順を追って思ったことを書いて行きたい。
まず、「原発敷地2キロ以内に活断層はない」ということ。
このような原発訴訟では、原発の周囲の活断層が問題にされるが、原発の安全性を地震の観点から評価するには、それだけでは十分とはいえない。
「では、海溝型地震はどうなのか?」という疑問が残るのだ。
それ以前に、日本を横断する大断層帯である中央構造線がすぐ近くを通るところに原発を建てることは、たとえ2km以上離れているとしても、大きな問題だと思うのだ。
なんでこんなところに原発を建ててしまったのだろうか。
■過去の大地震
また、活断層地震以外の要因も含めた地震の可能性について考えてみる。
過去1世紀半くらいに、周辺のエリアでは下記のような大規模な地震が起きていた。
- 1596年09月01日:慶長伊予地震、M7.0、中央構造線断層帯。
- 1649年03月17日:安芸・伊予、M7.2。
- 1686年01月04日:安芸・伊予、M7.0~M7.4。
- 1857年10月12日:伊予・安芸、M7.2。
これらを含めて、過去に伊方原発の周辺で起きていた大地震は下記マップの通りとなる。
安芸や伊予や、マップから外れるが九州北部では歴史的に繰り返し大地震が起きている。
このように、数多い日本の原子力発電所のなかでも、この原発は大地震の被害に遭うリスクが非常に高い立地にある。
■噴火のリスク
加えて、噴火の危険性もある。
「四国に活火山ってあったっけ?」と思われるかもしれないが、
そうではなく、もっと大変な噴火のことだ。
4~5年前から、それまでメディアで取り上げられることが少なかった「カルデラ噴火」について、TOCANAで紹介してきた。
大規模なものは「破局噴火」とも呼ばれるが、文字通り日本が破局を迎える恐れが十分にある巨大噴火だ。
日本は災害大国だが、カルデラ噴火あるいは破局噴火についても、いつ起きてもおかしくない。
だが、国民もメディアも、思考停止してしまっているのか、または「考えたくない」と思っているのか。
とにかく話題に上らない。
■「日本の終わり」は、いつでも起こり得る
「日本の終わり」という表現は、ト●ナ的(?)ではなく、まったく誇張ではない。
日本の歴史上もっとも新しい破局噴火は、約7300年前に鹿児島県南方沖の鬼界カルデラという海底火山で起きた。
この時は。南九州で栄えていた縄文文化が滅亡した。
一つの文明が“破局”を迎え得るという意味では、まったくの「誇張」ではないのだ。
しかも、それは今後の日本でも起こり得るものだ。
カルデラ噴火研究の第一人者である神戸大学海洋底探査センター・巽好幸(たつみ よしゆき)教授は、2017年5月11日のYahoo!個人ニュースで、「最悪の場合、日本喪失を招く巨大カルデラ噴火」という見出しの記事を書いている。
そこでは、巨大カルデラ噴火(破局噴火)が日本で発生する確率について言及している。
日本で巨大カルデラ噴火は「今後100年間に約1%」の割合で起きるとされるが、これは阪神・淡路大震災が起きる前に想定されていた発生確率と同じ。
そのため、巽氏は「巨大カルデラ噴火は明日起きても何ら不思議ではない」としている。
このような大規模噴火が起きると、九州だから危険だとか、四国は安全だというような議論は、ほとんど意味をなさなくなってくる。
というのも、最大規模の場合では「1億2千万人」が亡くなるとしているからだ。
このような破局をもたらす噴火への対策については、政府は真剣に検討してくれないので、われわれが個人レベルで自分たちの身を護るしかないかもしれない。
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