明日は今年はじめての満月だが、満月や新月、そして月食・日食・スーパームーンといった特別な月齢の前後に大地震が起きる際のタイミングを考えてみる。
■月齢と地震の関係
約2週間に一度訪れる満月と新月の前後に地震が多く発生することは周知の事実で、そのような科学的研究もある。
だが、スーパームーン、日食、月食といった特別な月齢の前後に特に大きな地震が起きやすいといったことは、科学の対象外とされることが多い。
大体スーパームーンの用語自体が天文学用語ではなく、占星術用語だったりする。
また、特別に月が地球に接近するスーパームーンのタイミングで特に大地震が起きやすいということも、通常は科学の対象外とされる。
そこで、基本に戻って、満月・新月、日食・月食、スーパームーンの前後に大地震が起きやすい傾向について、過去のデータをもとに再度検討してみた。
■特殊な月齢前後の大地震データ
以下に示すのは、過去の満月・新月、日食・月食、スーパームーンの前後に日本で大きな地震が起きた時の月齢と地震発生のデータだ。
基本は、これらの月齢の0日~6日前後に地震が起きたケースを抽出している。
ただし、±5~6日というのは、通常の満月・新月ではなく、日食・月食・スーパームーンという特殊な月齢の場合だけ抽出する。
また、夏至・冬至の前後には大きな地震が起きやすいという説があり、それも示している。
凡例:【新】新月、【満】満月、【日】日食、【月】月食、【S】スーパームーン、【ES】エクストリーム・スーパームーン
【冬至】1096/12/15 10:44
【-1】1096/12/17:永長地震(南海トラフ説)、M8~8.5、犠牲者1万人以上。
【新】1096/12/18 01:30
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【-3】1498/06/30:日向地震、M7~7.5、犠牲者多数。
【月】1498/07/03:部分月食
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【-1】【南海】1605/02/03:慶長地震(南海トラフ津波地震説)、M7.9〜8
【満】1605/02/04 07:17
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【新】1649/03/13 15:43
【+4】1649/03/17:安芸・伊予、M7.0。
【春分】1649/03/20 15:12
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【-5】1677/11/04:延宝房総沖地震、M8.0前後、犠牲者500~600人、津波。
【月】1677/11/09:部分月食
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【新】1707/10/25 23:30:
【+3】【南海】1707/10/28 :宝永地震(南海トラフ全域)、M8.4〜8.6
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【新】1763/03/15 1:50
【0】1763/03/15:青森県東方沖、M7.0。
【春分】1763/03/21 06:19
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【-5】1771/04/24:八重山地震、M7.4~8.0、犠牲者約12,000人。
【月】1771/04/29:部分月食
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【新】1854/12/20 06:46
【冬至】1854/12/22 12:17
【+3】【南海】1854/12/23:安政東海地震、M8.4
【+4】【南海】1854/12/24:安政南海地震、M8.4
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【新】1872/03/09 21:52
【+5】1872/03/14:浜田地震、M7.1、犠牲者552人。
【春分】1872/03/20 16:16
【月】1894/03/21:部分月食
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【月】1894/03/21:部分月食
【+1】1894/03/22:根室半島沖地震、M7.9-8.2、北海道・東北に津波。
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【満】1894/06/18 16:05
【+2】1894/06/20 14:04:明治東京地震、M7.0、南関東直下地震、犠牲者31人。
【夏至】1894/06/21 19:57
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【S/日】1914/03/12:部分日食
【+3】1914/03/15:仙北地震、M7.1、犠牲者94人、大仙市、最大震度7相当。
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【月】1923/08/26:満月・部分月食
【+6】1923/09/01 11:58:大正関東地震、M7.9、犠牲者・行方不明者約10万5千人、二重カイト、集合:7
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【-1】1945/01/13:三河地震、M6.8、最大震度7相当、犠牲者・行方不明者2,306人、津波。
【日】1945/01/14 金環日食
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【新】1946/12/19
【+2】1946/12/21 昭和南海地震(M8.0)
【+2】1946/12/21 19:18:千島列島、M6.9
【冬至】1946/12/22 19:53
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【-4】1963/10/13 択捉島沖地震(M8.1)
【新】1963/10/17:
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【月】1968/10/06 皆既月食
【+2】1968/10/08:小笠原諸島西方沖、M7.3、最大震度3。
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【満】1973/06/16 05:34
【+1】1973/06/17 12:55:根室半島沖地震、M7.4、津波。
【夏至】1973/06/21 22:00
【-6】1973/06/24:根室半島沖、M7.1。
【日】1973/06/30:皆既日食
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【-2】1978/03/23:択捉島南東沖、M7.0、最大震度3。
【月】1978/03/25 皆既月食
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【新】1994/10/05
【0】1994/10/5 北海道東方沖地震(M8.2)
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【満】1995/01/17 05:26
【0】1995/01/17 05:46:兵庫県南部地震(M7.3)、最大震度7
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【日/S】2000/07/31 部分日食
【+6】2000/08/06 07:27:12:小笠原諸島、M7.4
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【日】2001/12/14:金環日食、ニカラグア、コスタリカ。
【+4】2001/12/18:与那国島近海、M7.3、20cmの津波。
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【新】2003/09/26
【0】2003/09/26:十勝沖地震、M8.0
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【-5】2004/10/23:新潟県中越地震、M6.8、最大震度7、犠牲者68人。
【満】2004/10/28:
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【S】2005/02/09:新月
【-6】2005/03/20:福岡県西方沖地震、M7.0、最大震度6弱、犠牲者1人。
【満】2005/03/26:
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【-4】2005/08/16 宮城県沖(M7.2)、最大震度6弱。
【S】2005/08/20 満月
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【S/日】2007/03/19:部分日食、アジア、アラスカ西部。
【+6】2007/03/25:能登半島地震、M6.9、最大震度6強。
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【S】2008/05/06:新月。
【+2】2008/05/08:茨城県沖、M7.0、震度5弱、負傷者6人。
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【-1】2010/02/27:沖縄本島近海(M7.2)、最大震度5弱。
【S】2010/02/28 満月
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【月】2010/12/21 皆既月食 日本で見える
【冬至】2010/12/22 08:38
【+1】2010/12/22 父島近海(M7.4)、最大震度4、津波。
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【新】2011/03/05 新月
【+6/-9】2011/03/11:東北地方太平洋沖地震、M9.0、震度7、犠牲者・行方不明者約2万2000人
【ES】2011/03/20 満月
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【新】2014/09/24
【+3】2014/09/27:御嶽山、噴火、犠牲者・行方不明者63人。
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【S】2016/04/07 新月
2016/04/14 熊本地震(前震、M6.5)
【-6】2016/04/16 熊本地震(M7.3)、犠牲者273人。
【満】2016/04/22
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【S】2016/10/16:満月
【+5】2016/10/21 鳥取県中部、M6.6、最大震度6弱。
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【S】2018/06/14:新月
【+4】2018/06/18 大阪北部地震、M6.1、震度6弱、カイト、犠牲者6人。
【夏至】2018/06/21 19:06
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【-6】2018/07/07:千葉県東方沖、M6.0、震度5弱
【S/日】2018/07/13 11:48 新月・部分日食
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【-4】2018/09/06:北海道胆振東部地震、M6.7、最大震度7、犠牲者42人。
【新】2018/09/10 03:10:
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【満】2019/06/17:満月
【+1】2019/06/18:山形県沖、M6.7、最大震度6強、負傷者43人
【夏至】2019/6/22 00:55
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【S】2019/08/01:新月
【+3】2019/08/04 19:23:福島県沖、M6.4、最大震度5弱
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【月】2020/01/11 04:10:半影月食、満月
【0】2020/01/11:鹿児島県・口永良部島の新岳が噴火。
【+3】2020/01/14 23:48:桜島爆発、噴煙1100m。
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【日】2020/06/21 15:41:金環日食、新月、夏至
【+4】2020/06/25 04:47:千葉県東方沖、M6.7、最大震度5弱
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【日】2020/12/15 01:17:金環日食
【+2】2020/12/17 19:59:桜島・南岳爆発、噴煙3000m
【+3】2020/12/18 18:09:伊豆大島近海、M5.0、震度5弱
【冬至】2020/12/21 19:02
【+6】2020/12/21 02:23:青森県東方沖、M6.5、震度5弱
【+6】2020/12/21:諏訪之瀬島・御岳爆発80回
■日食・月食・SMと大地震の関係
まず、満月・新月などの前か後かで分類すると、以下のようになる。
1~6日前:15回
当日: 05回
1~6日後:30回
次に、月齢の種類ごとに分けると、下記のようになる。
新月:13回
満月:08回
日食:09回
月食:10回
スーパームーン(ES含む)前後:13回
この結果を見ると、スーパームーンの前後が最も大きな地震が起きやすいといえるかもしれない。
また、これらの月齢の数日前よりも数日後の方が起きやすいようだ。
前よりも後というのは、今まで漠然と考えてはいたが、やはりそうだった。
また、満月・新月の当日というのも、皆が思っているほどは起きない。
それは私が経験的に知っていたことだ。
■スーパームーンは常に要注意
満月・新月に比べると、日食・月食がそれほど多くないということにはならない。
というのも、満月・新月は月に約1回の頻度で訪れるが、日食・月食・スーパームーンはもっと頻度が低いからだ。
それでも尚且つ、スーパームーン前後の大地震が多い。
内外の多くの地震学者は否定するだろうが、こういう事実があるからこそ、私は研究を続けているのだ。
「何でそうなるの?」と聞かれても、答えに困ることが多い。
私の研究のスタンスは、まず「直観」や「経験」があって、理屈は後から考える。
それと、ASD的な集中力とこだわり。
これが無かったら、今の仕事はできなかっただろう。
■1/29の満月
明後日1/29は満月だが、特別な満月ではない。
そのような特別な月齢は、GW頃までは起きない。
それでも、すでに満月トリガーに入っていて、今日1/27 14時07分頃には胆振地方中東部でM5.4、最大震度4の地震が起きている。
また、環太平洋でもM5クラスも含めて地震が増えているようなので、今後も念のため大きめの地震にご注意を。
※うわ!私が企画・共著したムック、こんなに高騰している。
複雑な心境だ。
これもパンデミックとか何本か書いて、時代を先取りしていたかも。