茨城県の郁代さんから地震雲かもしれない写真が送られていたが、既に対応する地震が起きていたかもしれない。
また、この1ヵ月弱ほどで伊豆諸島で小規模の地震が頻発しているが、火山噴火と関係があるか過去の事例をもとに検討する。
■茨城県の郁代さん
まず、5日前に茨城県の郁代さん(仮名)からメールが届いていたが、原稿執筆などで超多忙で気づかなかった。
地震雲かもしれない写真を送ってくれたが、既に起きてしまった地震の可能性が高いが参考までに紹介する。
2020/12/15 15:15受信
今日のお昼頃に出ていた雲です
方向としては、福島・茨城沖から三浦半島方面かな?
写真1と2と続いている長い雲で、本当はもう一枚分の長さもありましたが、私のいた場所からは写せませんでした
それから3日後に、下記の地震が起きた。
2020年12月18日18時09分:伊豆大島近海、M5.0、最大震度5弱
地図上で茨城県沖あたりから三浦半島まで線を引くと、上記の地震が大体そのあたりで起きていた。
ちなみに、この写真よりもっと地平線上あたりに見える場合の「筋雲」は、注意が必要になる。
厚みのない雲は何でも「筋雲」に見えてしまうからだ。
また、飛行機雲も誤認しやすいので注意が必要だ。
■伊豆諸島の群発地震
次に、11月30日から伊豆諸島で続く地震の件。
有感地震の震源分布は、下記マップのようになっている。
このように、25回起きていた地震のほとんどは、震源の区分でいうと三宅島近海とか新島・神津島近海となっている。
だが、実際は多くは利島(としま)と鵜渡根島(うどねしま)の間あたりで起きている。
■過去の伊豆諸島の地震と噴火
以下に、この100年間ほどで伊豆諸島で群発地震や火山噴火が起きた時期を示す。
参考までに、関係あるとは言っていないが、エルニーニョ、ラニーニャ、黒潮大蛇行といった海洋現象の期間も記す。
凡例:【大蛇行】黒潮大蛇行、【エ】エルニーニョ、【ラ】ラニーニャ
1930/02/22~12/10:伊豆半島東方沖、伊豆大島近海群発
1930/11/26:北伊豆地震、M7.3、最大震度7
【大蛇行】1934年3月1日~1944年前半(約11年間)
【エ】1940年春~1941年春(1年間)
1940/07/12:三宅島噴火(大蛇行)
【ラ】1949年夏~1950年夏
1950~51:伊豆大島噴火
【エ】1951年春~1951/2年冬(0.8年間)
【エ】1957年春~1958年春(1年間)
1957/10/13:伊豆大島噴火
【大蛇行】1975年8月~1980年3月(約4年8カ月間)
1980/06/25~7月:伊豆半島東方沖で群発
【大蛇行】1981年11月~1984年5月(約2年7カ月間)
【エ】1982年春~1983年夏(1年間)
1983/10/03:三宅島噴火(大蛇行)
【エ】1986年秋~1987/88年冬(1.2年間)
1986/11/15~87/11/18:伊豆大島噴火
【大蛇行】1986年12月~1988年7月(1年8カ月)
1989/06/30~07/24:伊豆半島東方沖で群発
1989/07/13:手石海丘(伊東市沖)で海底噴火
【大蛇行】1989年12月~1990年12月(1年1カ月)
1998/04/20~5月:伊豆半島東方沖で群発
【ラ】1998年夏~2000年春
2000/06/26~8月:新島・神津島・三宅島近海で群発
2000/06/26~2005/02:三宅島噴火
【エ】2002年夏~2002/03年冬(1.2年間)
【大蛇行】2004年7月~2005年8月(1年2カ月)
【ラ】2013年春~秋
2013/04/17~18:三宅島近海で群発
【大蛇行】2013年7月~2014年4月頃
【大蛇行】2017年8月下旬~2020年10月中旬?
【ラ】2020年9月~(気象庁:冬までは続く予想)
2020/11/30~:伊豆半島・大島・新島・神津島近海で群発
上記で、ピンク字は、エルニーニョ発生中に起きた火山噴火を示す。
火山活動は、気になるという程度で話題にしていて、これから起きそうだという意味ではない。
■過去の伊豆諸島付近の大地震
下記のGoogleEarthのマップでは、1900年以降に起きたM7.0以上の地震を白丸で示している。
伊豆大島と三宅島の火山活動は、気象庁サイトによると以下のようになっている。
伊豆大島:
噴火警戒レベル1、活火山であることに留意
三宅島:
噴火警戒レベル1、活火山であることに留意
ちなみに、これまでの研究では、黒潮大蛇行の発生中には日本南岸の内陸部から太平洋で火山噴火が多く発生する傾向にある。
これはまだ研究中で、はっきりした傾向ではないが。
■八丈島東方沖M5.0
今日は、八丈島東方沖あたりで地震が起きていた。
有感地震とはならず、USGSの地震分布を見ていて気付いた。
2020/12/20 19:54:M5.1
このあたりでは、上記マップで示したように、1953年、1972年(2回)と、M7クラスの地震が起きていた。
利島に戻るが、活火山の宮塚山があるが、歴史上の噴火活動は無い。
気になるのは、利島(としま)と鵜渡根島(うどねしま)の間あたりは1900年以降の120年間で12月に3回の地震が起きるまでは、M4.0以上の地震が全く起きていなかったことだ。
下記マップで示すように、11月以前は空白域ができていた。
これからまだ起きるのかもしれないが、大き目の地震でなければ良いが。
■写真に写らない牛の像
地震とはまったく関係ないが、今日noteで『【チュリタ・ガイブ:不思議な話】写真に写らない牛の像』というノートを公開しました。
地震前兆かどうか不明だが、まだ対応する地震は起きていなさそう。
2年半前に2250円で購入した20000mAhのモバイルバッテリー、1日で使い切ったことはなく、この容量は防災目的だが、家族がバッテリー切れになった時に供給もできる。
まだ機能的には古くなっていなくて価格も安い。