今日は黒潮大蛇行が終了(一時的or終結)したことに伴い、持論である黒潮大蛇行と大地震発生の関係について過去データを検証したところ、やはり自説を裏付ける結果が出たので紹介する。
先週から書いているように、日本の南岸を流れる黒潮が大きく離岸して蛇行する「黒潮大蛇行」が、2017年8月に始まって以来、「終了」したと思われる。
ただ、問題はこれが一時的な終了なのか、または完全な終息なのかということだ。
元気象庁の岡田正実氏の説によると、黒潮大蛇行が発生中は潮位が高くなり、水の重さで南海トラフで巨大地震の発生が抑えられるという。
私は数年前から、南海トラフ巨大地震の発生には月による偏りがあり、それがなぜなのかを調べていくうちに、岡田氏の説に行きついた。
それを数年間にわたり研究してきて、岡田説を裏付ける結果が見えてきた。
そのため、黒潮大蛇行が終結すれば、南海トラフ巨大地震の発生の可能性が高くなるだろうと考えている。
それは南海トラフ以外の「B:黒潮域」に分類しているエリアの大地震にも同様に当てはまるようだ。
■大蛇行が大地震の発生を抑制
過去のM7.0以上の大地震では、下記のように黒潮の直進期(非大蛇行期)に起きていたケースが多い。
それは下記マップの黄緑色の部分だ。
「B:黒潮域」の圏内では、ちょうど黒潮大蛇行が起きている内側で、そのような傾向がある。
やはり、岡田説の通りに潮位が高くなるために海水の重みで大地震の発生が抑制されるのだろうか。
海水や積雪の重みが大地震の発生を抑制するという岡田氏の考えは、正直いまだに「ほんトカナ?」と思う部分があるが、自分が解析したデータがその説を裏付けるものである以上、肯定せざるを得ない。
■直進期と大蛇行期の比較
こう書いても、読者の多くはもっと「ほんトカナ?」と思うだろうから、更にデータを示す。
下記のマップは、2014年8月~2017年7月の黒潮の直進期(大蛇行期)のM5.0以上の地震の震源を示す。
黒潮大蛇行が起きていれば、このあたりというところを、ピンクの点線で示している。
大蛇行が起きる地点は常に一定ではないので、参考までに見てください。
次に、下記マップでは、今回の黒潮大蛇行が発生した後から先月までの、同じエリアで発生した同規模の地震の震源を示す。
この2つを比較すると、まず地震の発生数が直進期では34件と、19件の大蛇行期よりもはるかに多い。
ただし、これは東日本大震災の影響があったかもしれず、ここでは数は大きな問題とはしない。
ちなみに、データ抽出の期間は両者とも3年間としている。
■たしかに「抑制」されている?
それよりも重要だと考えているのは、大蛇行が起きている時には、その内側でM5クラス以上の地震が非常に少ないことだ。
大蛇行期には、大蛇行している部分で2回ほど地震が起きていたが、20207/07/07のM5.5の方は、ちょうど現在のように大蛇行がちぎれていた頃だった。
そのため、震源は大蛇行の渦の範囲外だった可能性がある。
もう一つの2019/04/05のM5.9の方は、当時の大蛇行のエリアを調べたところ、大蛇行が南に延びている部分が短く、これも大蛇行の外側が震源となっていた可能性が高い。
そうなると、あまりにも自説に合いすぎるために却って戸惑うが、結果として「黒潮大蛇行が大地震の発生を抑えていた」と考えざるを得なくなってくる。
今日の調査で、やはり自分の考えは間違った方向に行ってはいないのではないかと、多少自信がもててきた。
そうなると、現在の大蛇行の「終了」が、本当に終息であれば大変なことで、南海トラフ巨大地震の発生が「スタンバイ」になったと、気を引き締めなければならない。
今後も黒潮の予測に注意を払っていきたい。
※「コンピュータ 電気なければ ただの箱」
スマホも同じ。
昨年の水害で、痛いほどわかったことだろう。
なので、自分的には防災対策は絶対的に「食より電気」なのだ。