今日は発表機関によって細部が異なる黒潮大蛇行のデータで、どこのデータが信頼できるのかを検討した結果を公開する。
これは黒潮大蛇行の終了の有無などの最新状況を知ることによって、南海トラフ巨大地震の発生を予測するために非常に重要なものだ。
黒潮の流路についての情報は、データ提供元によって(表現方法などが)まちまちで、どれが正確なのかがわからず混乱していた。
だが、読者の方々からアプリを教えていただいたり、自分で調べたりした結果、次第に見えてきた。
やはり、日本の海流についての情報は、海上保安庁が提供するデータが最も信頼がおけるのではないか。
同庁のサイトに、『海洋速報』というのがあり、海流の情報などが日々更新されている。
■海上保安庁データの問題点
だが、海上保安庁の『海洋速報』を見ると、問題点がある。
それは、黒潮大蛇行の渦がちぎれた場合に、そのちぎれた部分を海洋図に表現するかどうかだ。
海上保安庁提供の『海洋速報』の最新版(10/18)の図では、以下の通りになっている。
この図で、何が問題かというと、前述のちぎれているはずの部分が図で表現されていないことだ。
これだと、普通に「黒潮の直進期」に入ったと思われてしまう。
■黒潮の最新状況
読者の方から、新たな海流情報のサイトを教えていただいた。
「earth;; global map of wind」
画面左下の「earth」をクリックするとメニューが出てくる。
このへんのユーザーインターフェイスは、元SEとして少し疑問に思う。
それは置いといて…
PCから見る場合のWeb版は、下記のところにある。
AndroidかiOSでは、「Windy」というアプリを検索して、無料ダウンロードできる。
だが、この「earth;; global map of wind」は、Webのみでスマホアプリは無いだろうと思う。
earthにアクセスして、画面が日本語になっていなければ、メニュー右下の歯車アイコンをクリックして、「日本語」を選択。
メニューから「モード:海」、「動画:海流」を選択する。
再度「earth」をクリックでメニューが閉じる。
2013年1月までの過去に遡って表示できる。
下記の図が、現在の最新の海流図だ。
■黒潮大蛇行が終了か?
結論から書くと、海上保安庁の『海洋速報』のデータを見る限り、黒潮大蛇行は終了したように思われる。
(ちぎれた部分があるが、大蛇行の性質は失われているので終了したと解釈する)。
ただし、それが「一時的に終了」か「完全に終了」かという問題は残るが。
それがいつ終了したのかというと、それを明確に判断するのは容易でない。
平日に毎日発行される『海洋速報』を見てみると、何日にというよりは、「10月12日の週に」大蛇行が終了したと言える状態になっていったと表現した方が良いかもしれない。
10/15発行の191号(10/14の海況による)を見ると、大蛇行が終わったか終わらないか微妙な状況になっている。
2020/10/01頃には、すでに大蛇行の渦の力がかなり弱くなっている。
過去データを見ていて次第にわかってきたというか推測レベルだが、気象庁のシステムでは、大蛇行がちぎれた場合にはちぎれた部分を無視して作図されるのではないか。
これに対して、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の『黒潮親潮ウォッチ』サイトでは、独自のデータに基づいて作図している。
そして、こちらではちぎれた部分も重視して作図している。
■黒潮大蛇行は一時的な終了か?
『earth;;』と『黒潮親潮ウォッチ』の図では、黒潮大蛇行はちぎれた状態となっている。
問題は、これが一時的なものか、それとも大蛇行は終結したのか。
これは誰にもわからないわけで、もしわかっていたら大々的に終了を発表するだろう。
ただ、『黒潮親潮ウォッチ』の長期予測のグラフでは、11月に入って冷水面積が大きくなり大蛇行が復活するようなものになっている。
南海トラフ巨大地震がすぐに起きて欲しくないならば(ほとんどの人がそうだろうが)、大蛇行の力が復活して続行を期待すれば良いことになる。
※癌でもインフルエンザでも今はやりの感染症でも、現代人のほとんどがビタミンD欠乏の故にかかるわけで、そのへんの知識があるのと無いでは大違い。(経験者)