今日は「防災の日」だが、当初の予定を少し変えて、大地震に対する備えで最も大切なことの一つは「地震慣れすること」ということを説明する。
地震に対する「備え」をしましょうというと、日本人の多くは「物の備え」を考えるようだ。
それだとダメダメだと思う。
なぜかというと、そういう人たちはガチガチの「正常性バイアス」から抜け出せていないと思うからだ。
自分たちが生き残れることが前提となっているからだ。
■心の「備え」が重要
では、本当に大切な「備え」とは、どういうことがあるのか?
まず何よりも、「心の備え」が重要だろう。
突然に大地震が起きても、なるべく動じない心。
「自分たちの県は地震が少ないから…」などと言っている人たちが、ある意味いちばん危ない。
そういうことは、たとえば近年の大きな被害が出た水害に先だって、特に西日本の呑気な人々がどういう備えをしていたか…いや、しなかったかを見て強く想うことだ。
■「地震慣れ」することが大事
例えば年中地震が頻繁に起きている茨城県や千葉県の人々は、常に大地震に対してビクビクして生きているかというと、そういう人はいても少ないだろう。
そういう地域に住む人々は、良い意味で「地震慣れ」していて、いざ大地震に襲われた時に、精神的にパニックになる可能性が低くなるのではないか。
だが、後述するような地震が少ない県では、「大きな地震など来るわけない」と、油断だらけになってしまう。
阪神・淡路大震災の前の近畿地方の人々の多くが、そうだったようだ。
もっとも、それは兵庫県民に限らず、近畿地方の多くは同様だったようだが。
だが、今は兵庫県民は、地震に対する意識が高い「耐震県」となっている。
木造耐震設計事業などを手掛ける株式会社エヌ・シー・エヌが実施した“耐震に関する全国意識調査”によると、住宅の耐震意識と地震への備えに関する回答の合計を数値化した都道府県別総合ランキングは、1位「神奈川」、2位「岩手」、3位「兵庫」となった。
あの壮絶な都市型大地震を体験した県民は、防災意識が大きく変わったのだろう。
■地震が少ない県は?
では、日本で大地震が少ない県は、どこだろうか?
それは詳しく調べるまでもなく、ちょっとネット上を探せば「富山県」だとわかる。
上記のリストで、福島、茨城、宮城と、上位はやっぱりという感じだ。
熊本が5位なのは以外で、これで熊本地震の前に防災意識が低い人が多かったとしたら問題がある。
次にリストを下から見ると、富山、三重、香川…。
下から2位、3位、これはちょっと意外だ。
だが、これだけ南海トラフ巨大地震の被害が騒がれているのだから、まさか県民の防災意識が低いなどということは無いだろうが。
■安心県は油断県
富山県が、地震が少ない県として知られているらしいのは、それだけ県で「うちは安全だから、おいでおいで」とPRしている結果なのかもしれないが、そこまで調べている余裕はない。
一般に、たとえそれが事実だとしても、あまり大っぴらに宣伝しない方が良いのではないかと思う。
やはり、そういう意識を定着させるにつれて、住民に油断ができてしまうから、というのが一つにある。
富山では本当に大地震が少なく、過去に被害が少なかったかといえば…そうでもない。
1154年09月19日:富山付近で地震、新川郡で陥没、犠牲者多数。
1892年12月09日:石川県・富山県、M6.4、津波、犠牲者2人。
1930年10月17日:石川県大聖寺付近、M6.3、犠牲者1人。
1933年09月21日:能登半島、M6.0、犠牲者60人。
1952年03月07日:大聖寺沖地震、M6.5、犠牲者7人。
2011年10月03日:富山県東部の長野県との県境近くで群発地震、M5.4など。
この100年ほどで、これだけ被害地震などが起きていた。
えっ、これで本当に少ないと言っているの?と思ってしまう。
特に、能登半島があるのに、それでも地震が少ないと言っていることに、愕然とする。
防災について考える際には、時には「逆の発想」が大事だということを書いてみた。
■9/2満月頃から要注意か
昨日書いた、今年の9月以降はスーパームーン・日食・月食の連続で大地震に要注意という件。
最初のスーパームーンは9/17だが、その前の明日9/2の満月あたりから、大きな地震に注意した方が良いかもしれない。
今日発行した私のnoteマガジンでは色々書いたが、直近では沖縄あたりでちょっとした地震があるかもしれない。
※阪神・淡路では、大型テレビが横に飛んできたと。
大地震では多くの想定外が起こると思うべき。