ある科学者が、「南海トラフ巨大地震は2035年±5年に必ず起こる」と予測しているが、その妥当性を検討するとともに、犠牲者数などの被害想定が縮小されたことに異議を唱えているので、その点も考えてみる。
この記事は『エコノミスト』誌に連載中の「鎌田浩毅の役に立つ地学」として書かれたもの。
たかだか1ページの記事だけを読むためにエコノミスト誌を買おうとは思わないが、幸いにしてAmazonプライム会員は同誌のバックナンバーを無料で読むことができる。
有料のKindle版は650円だが、1~2週待てばタダで読めることになる。
この連載の第12話「プレ西日本大震災 南海トラフ巨大地震で打ち止め」が無料になっていたのでDLして読んでみた。
(週刊エコノミスト 2020年07月28日号)
(週刊エコノミスト 2020年07月28日号)
■南海トラフで「打ち止め」
鎌田氏によれば、日本では地震の「活動期」と「静穏機」が交互にくるが、過去では南海トラフ巨大地震発生の40年位前からと発生後10年位の期間が活動しやすい状態となるという。
そして兵庫県南部地震(1995)は、その活動期の最初の内陸地震だと。
その後に南海トラフが揺れると、半世紀ほどは内陸部で地震が起きにくくなる。
その最後の「打ち止め」として、2030年代に南海トラフ巨大地震が起きると予測している。
この記事では、試算による具体的な年数まで書いてあるが、そこまでは書かないでおく。
このような予測はあくまでも統計的手法による平均値に基づくものであり、実際に地球さんはその計算通りに動いてはくれない。
だが、鎌田氏が言うところの「長尺の目」を持つことは、暗闇の中を歩くよりは良いことになるだろう。
問題の、「早ければ2030年頃に起きる」説だが、これは肯定も否定もできる要因がない。
ただ、その頃に起きてもおかしくはないだろう。
自説では、黒潮大蛇行が終息していれば、という条件付きになるが。
この記事の冒頭部分は、下記のエコノミストOnlineのページで読める。
■首都直下地震は今年でも起こり得る
ちなみに、鎌田氏は今年あたりに首都直下地震が起きてもおかしくないと予測していた。
これは、以前にどこかで書いたと思うが、貞観地震の9年後の878年に関東地方南部でM7.4の相模・武蔵地震が起きていたことに根拠がある。
そのあたりのことは、下記のエコノミストのインタビューで語っている。
■南海トラフは2030年代
鎌田氏の予測では、早ければ2030年頃に南海トラフ巨大地震が発生することになる。
今から10年先ということで、それまでに起きない根拠は何だろうと考えていたが、それは前述のように南海トラフ地震の周期性からの試算だった。
ここで、9/9の記事「南海トラフ巨大地震は2035年±5年に必ず起こる」の内容になる。
国の中央防災会議などは2012年に、南海トラフ巨大地震の規模をM9.1、海岸を襲う津波の最大高は34mと想定した。
そして巨大津波は、一番早いところでは2分後に襲ってくるとしている。
だが、内閣府は昨年5月、南海トラフ巨大地震の犠牲者の想定を従来から3割減らして約23万人にして、全壊または焼失する建物を1割減らして約209万棟になるとした。
主な理由として、住民の津波からの避難意識が向上したとされているが、鎌田氏は、これは甘い見通しに思えると書いている。
■南海トラフの犠牲者数が減った?
自分もこの点では同感で、変更の根拠が曖昧だ。
また、30年以内に発生する確率を「70~80%」としているのも、鎌田氏は問題視している。
その理由は、このような確率で示すのでは、「緊急性が伝わらない」からだという。
(2)その災害規模は東日本大震災より1桁大きい
こと災害についていえば、「正常性バイアス」や「確証バイアス」が働き、本来避難すべきところを避難せずに、命を落とす人々が歴史を通じて非常に多い。
厳しい言い方をすれば、繰り返し襲って来る災害に対して「学び」がない。
鎌田氏は、こう書く。
「南海トラフ巨大地震は発生時期が科学的に予測できるほとんど唯一の地震である」
たしかに、南関東直下地震などに比べれば、ある程度の猶予はもてる。
それでも尚且つやられてしまうのでは、油断や隙があるからだろうか。
■今日の前兆現象
今日の体感だけを。
結局、23時現在、夕食後に頭痛薬を飲まずに何とかなっている。
このまま収まれば、9/16(水)~17(木)あたりに関東圏の内陸ならば小規模~中規模の地震が起きるかもしれない。
そろそろ、今年いっぱいくらいは地震の要注意期間に入るが、これはまた別の機会に詳細に書くことにしたい。
※津波や地震のシェルターというのが、以前はAmazonで探せば出てきたのが、どんどんなくなっていく。
それだけ需要が少ないのだろうけれど、あれば一つの命が助かるかもしれないというのがある。
それだけ需要が少ないのだろうけれど、あれば一つの命が助かるかもしれないというのがある。
【動画】