明日9/1は97年前に関東大震災が発生した日であり「防災の日」だが、首都直下地震が迫りくると言われるこの機会に、2日にわたって、特に大地震からの防災について考えてみたい。
毎年、東日本大震災の周年や「防災の日」には、前もってTOCANAに関連するネタ出しをすることが多いが、今回は多忙すぎて全く頭になかった。
その代わりここで…という気持ちも多少あるが、普段はどうしても「先へ先へ」と、地震予知関連のことばかりになってしまっているので、この機会に「減災」のことも書いてみることにする。
昨年頃だったか、うちで地震が起きた時に、うちの子供たちの行動で感心したのは、震度2くらいの地震で、真っ先に机の下に隠れたこと。
学校や幼稚園でしっかり教わるのだろう。
大きな地震が起きた時に、「動じない心」を持つことは大切だが、一朝一夕には行かない。
それでも、突然の揺れに慣れるための訓練はできる。
各地の防災センターに行けばある、起震装置だ。
防災関連のイベントでは、起震車が来ていれば、そこで体験できる。
■強震体験
私は職業柄、起震装置のたぐいには積極的に体験していて、震度7も体験済みだ。
はじめて震度7を一人で体験したことは、壮絶な体験となった。
立っていては危険なので、初めから机の下にもぐった形で始まる。
それでも、机の柱にしっかりつかまっていないと、振り飛ばされそうになる。
こんなに激しい揺れだということは、実体験した人以外は想像できないだろう。
そのくらい激しい揺れに襲われた時には、どこかへ逃げようとするのではなく、すぐに身を伏せるべきだ。
その時のことは、下記のYouTube動画で紹介している。
こういう強震体験を何度かしていると、ぶっつけ本番でパニック状態になるよりも、多少は心の余裕ができてくるのではないか。
私自身は、実戦経験としては、最大でせいぜい震度5弱ぐらいだろう。
今まで住んだ土地がほとんど東京都下の、軟弱地盤ではない土地のせいもあるだろう。
■優先順位
いつも書いているように、地震関連で「防災」を心掛けるために、一番必要なことは「食料備蓄」ではない。
今まで「大震災」と名がつく地震災害が起きた後で、飢えじにした人ってどのくらいいますか?
他の国ならばともかく、現代の日本では、よほどの大震災が起きない限りでは、そういう人々が出ることは考えられない。
帰宅困難もよく取り上げられるけれど、これも優先順位は低いだろう。
江戸時代の人々は、長旅をするときには1日に30~40キロも歩いたという。
新宿を起点とすると、だいたい八王子くらいまでの距離だ。
こういうことが重要ではないなどと言っているのではなく、「防災」について考えるならば、「優先順位」を明確に意識すべきだということ。
では何を優先すべきかというと、言うまでもなく「まず命を落とさずに生き残ること」だ。
■初動が大事
大きな地震の揺れに襲われた時には、何よりも「初動」が大切だ。
地震が起きたときに、まず何をするかは、地震の規模、今一人か誰かと一緒かなどの様々な条件によって異なってくる。
たとえば、今うちには1歳2か月の娘がいて、その子の安全を確保するのが真っ先に行うべきことだろう。
また、うちは地盤が強固な土地ではあるが、築年数がかなり経った木造2階建ての借家なので、耐震性に問題がある。
規模が大きな地震の場合、1階に住む89歳の母の安否を確認することも重要だ。
古い木造家屋でありがちなのは、1階が潰れて2階部分が落ちてくるケースだ。
最悪の想定は立川断層が動いた場合で、その時には実際に前述のような状況に陥るかもしれない。
上に書いたように、地震が起きると子供たちは机の下に隠れていたが、今は物が多すぎて机の下にたどり着くのが容易ではない。
こういう条件では、やはり家族全員分のヘルメットがあった方が良いだろう。
普段はかさばらないような、折り畳み防災用ヘルメットがあるが、多少高くつく。
■被災体験者のコミック作品
「防災」について考える際には、被災体験がある人の経験が役に立つ。
こういう時に役に立ちそうだという本が、1冊ある。
本というか、コミック本だが。
世鳥アスカさんという女性の漫画家による『明日、地震がやってくる!』(カドカワ)だ。
この書下ろしのコミックは、6年前に私が取材されて、話したことがそのままマンガに出てくる。
地震前兆研究家の百瀬直也として、実名で登場する。
(ただし顔は実際以上に美形化されている?)
このコミック作品が注目すべき点は、アスカさんは東日本大震災の時に、千葉県浦安市のマンションに住んでいて、被災した体験を描いていることだ。
■浦安の液状化被害
浦安といえば埋立地で、当時は液状化現象で大変なことになっていた。
私がそのことをよく知っているのは、大震災発生から1か月後に、浦安に取材に行ったからだ。
その時の映像は、下記のYouTube動画でまとめている。
アスカさんの自宅は、マンションの低層階だったこともあって大きな損壊はなかった。
だがライフラインが途絶えて、外へ出ればひどい液状化で車が走れず、かなり大変だった。
そのような体験を事細かにマンガに描いて、東北のような壮絶な被災ではなかったものの、こういう大変なことが起きるのだということを知るには良い資料だろう。
アスカさんがこの作品を描こうと思い立ったのは、震災後2年経っても、「なんで誰も液状化について書いてくれないんだろう?」という想いがふくらんでいったからだという。
たしかに、メディアではそのへんのことがあまり報道されなかったようだ。
■私がマンガに登場
それで、肝心の私が登場する部分だが、最後の「備えあれば憂いなし」の章の、残り数ページというところで登場する。
私はここで、主に「宏観異常現象」について説明したが、それが6ページ位にわたって描かれている。
この本を久々に開いて読んで、自分が「体感」が始まったのが、歯にブリッジを入れたのがきっかけだったと話している。
すっかり忘れていた。
あくまでも可能性だが、それをきっかけに体感の「感度」が上がったのかもしれない。
このコミック本は、2014年に出版された本で、Kindle版ではまだ購入できる。
紙版は絶版で、Amazonで古書が10冊ほどある。
「防災の日」関連は、今日はこのくらいにして、続きは明日書くことにする。
■明菜さんのブログ記事
今日の秋田県の明菜さんのブログ「明菜のブログ」の記事で、私に関することが書かれているので、少し補足を。
昨日私が、明菜さんからのメールを紹介したことが紹介されている。
だが、アメブロをやる人の多くはリンクを張るというワザを知らずに、「百瀬直也」で検索してくださいとある。
ところが、今ははてなブログからBloggerへ引っ越したばかりで混乱期にあって、Googleで「百瀬直也」で検索しても、私のブログが一番トップに出てくるとは限らない。
それよりは「探求三昧」で検索した方が、たぶんトップに出てくる。
「百瀬直也 ブログ」でも検索できるが、トップよりもかなり下の方になる。
■今日のYouTube動画
エッグスンシングスに誕生日に行くと良いことがある。
写真を撮ってもらえば良い思い出になる。