神々が災害などを警告する「粥占」だが、九州で3月中旬に行われた第2弾の結果が出揃って、どうも今年も「水害」には厳重注意の年になりそうだ。
毎年新春から3月頃にかけて、各地の神社で行われる「神による占い」というべきものだ。
なぜこれが話題になるかというと、基本的にはその年の農作物の吉凶を占うものだが、「世相」も占い、地震・噴火・水害などの災害や、時には大きな事件なども予言するためだ。
主に1月15日前後と、3月15日前後に行われる神社が多い。
3月に行われるのは、西日本の特に九州地方に集中している。
この記事で紹介するのは、すべて九州地方の粥占の結果だ。
【判断】で始まる行以降は、私が推定したことだ。
■大学稲荷神社
まずは、福岡県久留米市御井町の大学稲荷神社
今年2020年2月9日の「初午祭(はつうまさい)」では、黒カビが点々と散らばっていて、「流行(はやり病」が「大いに見ゆ(要注意)」。
また「大水」「大風」の兆候があり、局地的な豪雨に注意が必要と出た。
【判断】
「流行病」は、新型コロナウイルス肺炎の流行を予言していた?
今年も、特に九州では台風など水害に要注意か。
■海童神社
佐賀市川副町の海童神社。
3/15の「お粥(かゆ)開き神事」
昨年と一昨年は、事故や災難を示す黒カビや火災やはやり病を示す赤カビが多く見られため「大凶」となっていた。
今年も、黒カビや赤カビは見られたものの、五穀豊穣や産業繁栄を示すねずみ色も多く見られ、全体として「中吉」と判断された。
【判断】
特になし
■千栗八幡宮
佐賀県三養基郡の千栗(ちりく)八幡宮。
3/15の「御粥試」
大風、大水、地震は中間の「見ゆ」
人の心の動きを示す「事故」は、唯一「大いに見ゆ」
総評は「昨年、全国で水害が相次いだが、今年も注意が必要。特に風を心配している。いろんな事件も多いが、改元をプラスに受け止めて、みなさんと一緒に良い年にしていきましょう」
【判断】
九州で大きな事故があるのだろうか?
■筑紫神社
福岡県筑紫野市の筑紫(つくし)神社。
3/15の「粥占祭」
青銅の鉢に盛られ、ひと月の間、本堂に奉られていたご飯を前に、地元で代々受け継ぐ判定人らが「粥占判断書」に従って占う。
結果は、「稲作 中上」「麦作 中」「雨 少なし」「風水害 兆しあり」
全体では「祭りは秋の豊作祈願を目的としていて、今年は例年に比べ、良いかびが生えている」
総評は、「やや赤が多いんでややそういうウイルスが発症し易いような気象条件。みんな苦難があると思うけど乗り越えて本当収束してもらいたいと思います」
占いの結果、今年は、全体的に農作物などが良いと出たが、赤いカビが多かったため流行病の兆しもあり、あまり安心できない1年になる恐れもあるという。
【判断】
報道によって、切り取り方が異なる。
水害に注意ということのようだ。
■過去の粥占
以降は、昨年と今年1月分の粥占の結果を見直してみる。
まず、今年の諏訪大社の筒粥神事では、昨年に続いて「三行半」を意味する「三分五厘」の大凶相となった。
新型コロナウイルス肺炎の点でも、もう三行半が出ていると言えるだろう。
Yahoo!のリアルタイム検索で探すと、まだ話題になっている。
2019年の粥占では、水害などを示唆していた。
このように、神々は警告してくれている。
ありがたいことだ。
それを信じる・信じないは、人間次第。
■全体の傾向
今年の傾向としては、かなり判断が容易だといえる。
つまり「今年も水害に要注意」と警告しているところが多いこと。
しかも、私が最も重視している諏訪大社の筒粥神事では、昨年同様に「三行半」が突き付けられた。
1月に私が執筆したTOCANAの記事で、「2020年は地震より水害がヤバイ」というタイトルがついたが、そのことは第2弾の結果でもブレていないようだ。
全国どこでもそうだが、特に西日本は、「呑気な父さん」たちの言うことに引っ張られないようにしたい。
そういう人たちは「正常性バイアス」に捉われているかもしれない。
多くの神社では、たとえ未だに粥占が行われていても、「形骸化」しているところが多い。
また、粥占祭が行われるという報道があっても、肝心の結果を報道しない。
どことあまり言いたくないけれど、そういう地域は、人々の関心が薄いということもあるのではないか。
■2020年も豪雨や台風の水害に要注意
というわけで、今年も昨年のように豪雨や台風による水害が起きるのだろうか。
現在も黒潮大蛇行が続いているが、この期間中は特に関東以西で水害が多く発生しているかもしれない。
だが、今年が水害に要注意といっても、では大地震は安心かというと、そうでもないかもしれない。
個人の占いに関しては、「良い結果だけを信じる」人も多いが、こと神の占いに関しては、そんなことを言っていると、とんでもないことになることもある。
当たる・当たらないの世界ではなく、現実に起きることがデフォルトと思って、神さまの警告は有り難いと思って1年を過ごす気持ちが大切だろう。
【動画】